ブックタイトルConsultant271
- ページ
- 10/84
このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Consultant271
特集トイレ?日本のトイレが世界をもてなす?1進化するトイレ加藤啓太朗KATO Keitaroオツデザイン一級建築士事務所代表日本トイレ研究所トイレ向上委員日本のトイレはどこまで進化するのだろうか。古代から現在に至るトイレの歴史から、日本の玄関口として高く評価されている東京国際空港のトイレ、さらに建設現場のトイレまでを紹介し、進化する日本のトイレの最前線に迫る。進化するトイレ日本でのトイレは、この30年の間に和式から洋式へと大きく舵をきり、暖房便座・温水洗浄機・自動脱臭・抗菌除菌・節水超節水等といった設備の高機能化や、商業施設・駅・高速道路のサービスエリア・ホテル等の高い快適性を追求した公共性の高いトイレ空間の事例が増え、一気に進化を遂げた。今やその快適性は、やむを得ずといった消極的な選択ではない“便所飯”といった利用形態すら許容できるまでになっている。そして、世界でも例の無い、トイレを舞台にしたユニークなアートフェスティバルが大分市で行われるなどしている。一方、2015年には過去最高の1,973万7千人の訪日外客数(日本政府観光局)となり、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えている。東京都心を近代化に向けて大きく飛躍させることになった1964年の東京オリンピックから56年ぶりとなる機会を得て、観光客受け入れのための取り組みや建設需要にこたえる動きは、トイレにおいても例外ではない。まだまだ進化は止まらない、止まっててはいけないという状況である。トイレの進化を予測するための知識とするべく、日本の都市空間や建築空間における「トイレの歴史」を概観した上で、最近のトイレにまつわる大きな動きである「観光客等も含む多様な利用者を想定したトイレ」や「建築現場のトイレ」等を幅広く紹介したい。トイレの歴史古代の文献の無い時代の排泄事情を知るには、糞化石(コプロライト)を研究するそうである。福井県の鳥浜貝塚では古鳥浜湾に打ち込まれた木杭の付近に糞石が集中していたため、杭に板を渡して川に流す古代の写真1おおいたトイレンナーレ2015(2枚共)008Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016