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写真3新東名高速道路NEOPASA駿河湾沼津プレミアムトイレ写真4サイン案内の例っており、先進的な商業施設の取り組みともあわせて公共性の高いトイレの質の向上を牽引している。トイレ最前線?日本の玄関口?海外から訪れる観光客が最初に触れる日本という意味でも、文字通り最先端といえる国際空港のトイレの進化は著しい。東京国際空港ターミナル株式会社は、ユニバーサルデザインの考え方に基づいたトイレ環境づくりが評価され、2015年日本トイレ大賞(国土交通大臣賞)を受賞している。ユニバーサルデザインの考えに基づき「障害のある方」「お年寄り」「妊婦」「子連れ」「カート利用者」も利用可能な計画となっている。特に障害のある方への対応では多機能トイレはもちろんのこと、一般のトイレにも手厚い。トイレ内の通路幅は車椅子のすれ違いに十二分な寸法を確保し、ブース扉も折れ戸で幅広くなっている。弱視の方への配慮としては、衛生器具と内装仕上材とのコントラストを考慮した配色計画や、エリア内(洗面・小便器・大便器)にそれぞれ異なる照明計画として、色のみに頼らないわかりやすさを提供している。多機能トイレについては、車椅子利用者の麻痺などによる左右の使い勝手に配慮し、跳ね上げ式手すりの位置が左右異なる2種類を用意している場所もある。また、身体障害者補助犬法によって、補助犬を連れた人が行くところへは補助犬もその人の身体の一部として同行することが認められていることから、ターミナル内1階(屋内)に補助犬専用のトイレを設置している。一方、外国人が利用する空港や新幹線などのトイレでは文化や習慣の違いなどから、便座に靴を履いたまま乗ってしまうため靴跡がつく、便座が割れる等のトラブルが発生したり、使用済みのトイレットペーパーをトイレに流さずにトイレブース内の汚物入れに入れてしまうため臭いが酷い等のクレームもあるそうである。これらの対策として、4カ国語表記の案内や説明を個室内に設置することで正しい利用方法の周知を行う等環境改善を図っている。今後は、供用開始してからわかった利用者の声を整理しながら、より快適で安全安心に利用できるようにしていくとのことである。図1 建設産業総合ポータルサイト「建設現場へGO!?見る、知る、働く、建設産業のJ o bポータル?」建設現場のトイレ?女性活躍?ここまで来ると「日本のトイレ事情は世界最先端だ。何かこれ以上改善することってあるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれない。しかし、改善を望み期待さ010Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016