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食後約7時間食後約8時間半流動体かゆ状横行結腸半かゆ状下行結腸食後約5時間流動体小腸半固形状食後約9時間S状結腸上行結腸直腸肛門排便固形状食後約12時間食後約18時間食後約24~72時間図1便の作られる時間食物が胃に入ると生じます。これは、胃結腸反射と呼ばれます。朝食後にこの波が強く起きる人が多いのですが、食事毎に起きるかたもいます。それ以外にも、特定の環境(本屋に入ると排便したくなるなど)、特定の状況(帰宅するとすぐに排便したくなる)、特定の食べものなどで、反射がおきることもあります。肛門のすぐ手前の直腸は、本来は空っぽで便が溜まっていない部位ですが、便が移動してくると、直腸の壁が便塊で押されて広がり、直腸の内圧が高まります。この伸展圧を直腸の壁にある神経機構が受け取り、神経刺激が脊髄(仙髄)に送られ、脳の排便中枢に届きます。刺激が強くなると、さらに大脳皮質に信号が送られて便意を感じ、トイレに行きたくなるのです。脊髄のレベルでは、排便の準備状態に入るのですが、これは意識的なものではありません。ふだんは、肛門部は軽く閉じています。肛門のまわりにある内肛門括約筋が軽く肛門を締めているのです。その括約筋は、便意が出ると、排便準備のために緩むのですが、10秒ぐらいでまた元の閉まった状態に戻ります。緩むと、私たちは直腸内の便が漏れないように肛門を締めて、つまり、意識的に収縮可能な外肛門括約筋を一時的に収縮させて、トイレまで我慢します。直腸の伸展刺激が強くなると、内肛門括約筋は長く弛緩し、「排便反射」をおこし、便が排出されます。またその少し上のほうにある直腸を取り囲む筋肉群も緩んで便が出やすくなります。脳の排便中枢のレベルからいうと、反射的に交感神経の緊張が緩み、副交感神経が興奮して、直腸の蠕動運動が高まり、内肛門括約筋は「排便反射」をおこし弛緩する、ということです。トイレに到着していれば、排便態勢を取り、締めていた外肛門括約筋を弛め、いきんで、便を直腸から押し出します。「いきむ」とは、腹筋群・横隔膜を用いて腹圧を上昇させる、ということです。便が排泄された後は、再び直腸内は空っぽになり、直腸内圧は元のレベルに戻ります。脳はそれを「すっきりした」と感じます。つまり、排便には「1便の形ができること」「2便意が出ること」「3トイレまで便を我慢できること」「4うまく便を押し出せること」が必要なのです。自律神経の働き1の便の形成に関与するのは、便の材料である食事内容と大腸の蠕動運動です。食事量が一定量あることCivil Engineering Consultant VOL.271 April 2016013