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と、食事中の食物繊維量が影響します。糖類下剤(オリゴ糖もそのひとつ)やマグネシウム剤などといった浸透圧性下剤は、浸透圧効果で便中に水分を呼び込んで、便を柔らかくし便量を増やして、ここに効いて排便を促しています。蠕動運動自体は、自律神経が司っています。2の便意の出現は自律神経の支配下にありますが、良い量の食事を摂ることがきっかけになります。私ども小児外科の扱うものの中には、直腸の壁の神経節が先天的に欠けているという病気があり、便意を感じて排便の一連の動きをスタートさせることができません。このため、ひどい便秘、赤ちゃんなら腸閉塞に近い状態になります。3の排便の抑止は、自律神経も関与しますが、意識的にもかなり可能です。また、便に形があれば、それにより肛門に蓋をした状態になりますから便が漏れずにトイレに間に合いますが、水様便の時は、漏れてしまう可能性が高くなります。4の便の排出は、自律神経の関与のほかに、腹圧をうまくかけることが必要です。筋力だけではなく、筋肉の使い方、排便の姿勢なども意識的にコントロール可能なのは、この入口と出口の一部だけ図2食物の消化・吸収胃肝臓大腸膵臓小腸直腸関係します。うまく排出できた場合はスッキリ感がありまS状結腸が長くなります。もっとも、長いから溜まるのか、す。残便感があるのは良い排便ではありません。また、溜まるから長くなったのか、どちらが先かはなんともいスッキリ感には肛門部やそのすぐ近くの皮膚感覚も関係えません。ある程度の便秘になると、溜まるからますまします。先天的な病変には、先ほどの腸管壁内の神経す長くなる、長くなるからますます溜まる、ということは機構の異常のほかにも、排便に関する筋肉群の発達がいえます。さこう不十分な直腸肛門奇形(いわゆる鎖肛)や、脊髄レベこうして、排便のメカニズムをみると、ほとんどのことルで神経の分布が不十分なものがあり、排便に補助がは自律神経が司っています。私たちが自分で調節でき必要なことがあります。るのは、食事内容と、便が出そうな時にガマンすることぐらい、あとは、出にくい時にがんばっていきむことが、便秘のメカニズム多少役立つぐらいです。本来、4の排出は楽にするもの幼い子どもの慢性機能性便秘症では、便塊が肛門そで、頑張り過ぎる必要はないものです。ばの直腸まで来ているのですが、これをうまく排出できないタイプが多いのです。悪化すると便意の形成も鈍く交感神経系と副交感神経系なります。成長につれ、このタイプは減り、おとなの慢性では、自律神経をうまく働かせるにはどうしたらよい便秘症では、S状結腸に長く溜まっているタイプが増え、のでしょうか。自律神経系は、交感神経系と副交感神014Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016