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すっきりウンチ直腸が空になる胃結腸反射大蠕動ウンチが降りてくるウンチが降りてくる直腸の壁を押す神経が圧を感じ仙髄大脳排便スイッチが入る(=便意が出る)括約筋弛緩排便直腸が元の太さにもどる=すっきりする図3直腸のしくみ経系とで成り立ち、これらは互いに反対に働きます。交感神経は、緊張、興奮したとき、活動的な時に働き、副交感神経はリラックス状態の時に働きます。腸管の機能を活発にするのは副交感神経です。交感神経優位では、闘争か逃走かの状況ですから、消化管を動かすよりも、もっと活発にしなければならない臓器があるわけです。安心できる状況でこそ、消化管はうまく働くのです。生活の中で、緊張とリラックス状態が、うまく配分されていることが重要です。それを実現するには、仕事と休息のリズムのある生活、規則的な食事、良い睡眠が重要です。食事は、3食ともほぼ同じ時間に、ある程度の量を、楽しく摂ることが望ましいでしょう。いわゆるストレスの強い状態、気を使う仕事の最中は交感神経優位ですが、一仕事終えてゆっくり休息をとり、しっかり眠ればよいのです。しかし、気の休まらない生活、たとえば大震災での避難所生活などでは、交感神経優位が続き、排便状態も悪化します。多くのかたは便秘になりますが、腸管の協調運動が悪化し、過敏性腸症のようになるかたもいます。排泄の空間も大事です。便意が出た後の、排便の一連の動きも、副交感神経がうまく動かないと止まってしまいます。あるいは、排便する気になれずに、へたをすると漏れてしまいます。副交感神経が優位になるような、安心できるトイレ空間が必要なのです。安心度のレベルには、個人差がありますが、どこの家庭も、公共施設もきれいなトイレになり、それに慣れていますから、ハードルは上がっているでしょう。自分の排便を知る腸管の働きには個人差があります。身体つき、性格、知能には個人差があることを不思議に思わないのに、腸管の動きには、個人差があることをなぜか認めないかたが多いのですが、どんな生活でも規則的に排便できるかたもいれば、良い生活を送らないとダメなかた、良い生活でも内服薬などの補助が必要なかたもいます。しかし、生活が良ければ、それなりに良い排便が保てます。そして、良い生活を続けると、排便は徐々によい状態になっていくかたが多いのです。排便は身体からのお便りです。排便が不調というかたは、身体が今の生活を見直してみてほしい、と言っているのです。自分の排便を知り、考えてみてはいかがでしょうか。Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016015