ブックタイトルConsultant271

ページ
19/84

このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant271

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant271

写真3改修前のトイレ(中学校)写真4改修後のトイレ(中学校)い子どもたちがいます。また、「暗い」「くさい」「汚い」「怖い」「壊れている」という5Kのいくつかに該当し、子どもたちを「トイレに行きたくない」という気持ちにさせてしまうような場所でした。トイレに行くのを我慢することは健康上良くありません。また、閉鎖的なトイレは人の目が行き届きにくく、「いじめの温床」となりかねないことから、近江八幡市では「明るく開放的なトイレにしたい」と平成23年度から年間1、2校のトイレ改修を進めてきました。これまでトイレは、学校、市担当者、設計事務所が協議して設計や改修を行う行政主導の方法をとっていました。しかしそれでは、エンドユーザーである児童生徒にとって、本当に使い易いトイレになるのかという懸念がありました。そこで、学校や児童生徒の意見を聞いて、共に考え作り上げることによって、「自らが手がけたトイレを大事に使おう」という気持ちが芽生えてほしいとの想いから、児童生徒参加型のトイレ改修が始まったのです。最初の一歩私たちはまず、中学校のトイレ改修のワークショップに取りかかりました。とはいえ、市担当者が学校に赴き、ワークショップを行うのは初めてのことでした。校長、教頭、生徒会担当教諭との最初の協議で「全ての生徒にトイレの設計と工事に参画してもらいたい」という私たちの想いを伝えました。ところが、既に年間の学習日程が決定されていることから、授業の一環として取り組写真5啓発ポスター(中学校)むことはできないことや、生徒数が多く学校として管理しきれないなどの理由で、当初の計画を変更せざるを得ませんでした。その結果、生徒会の役員を対象に、放課後を利用してワークショップが始められることになりました。ワークショップの設計体験は、私たち担当者が描いたいくつかの平面プランのうち、生徒たちが最適だと考えるものを選ぶというものでした。その後、設計案を示したり、仕上げ材や機能面の話をするうちに、生徒たちのスキルを確認しながら丁寧に説明してフォローをすれば、自ら改修プランを考えることができるとわかってきました。年々、ワークショップで行う作業内容も充実したものとなりました。設計プランを選択するだけの方法から、アンケートの結果や施設見学を踏まえて自分のチームCivil Engineering Consultant VOL.271 April 2016017