ブックタイトルConsultant271
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Consultant271
いルールや、公共施設として許容できるものなら受け入れる寛容さを持つことです。担当者が「あれはダメ、これはダメ」と言ってしまうと、せっかく参加型として求めたものが絵に描いた餅となってしまう恐れがあります。その結果、大学院生たちのモチベーションが上がり、自分たちが考えた新しいトイレをきれいに使ってもらいたいと、「トイレおそうじマニュアル」を作って児童に説明するなど、私たちが求めた以上の成果につながりました。通過点である今朝、自宅のトイレを我慢して写真8実物大の模型トイレでの聞き取り(小学校)学校に行く子どもを気にしたお母さんが「トイレに行ってから学校に行きなさい」と言ったところ、「学校のトイレに行きたいから我慢するの」と答えたというエピソードがあります。また、中学校の男子トイレではトイレットペーパーの使用量が大幅に増えるなど、これまでのトイレでは予想もつかない反響がありました。さらに、児童生徒たちの意見を反映して設置した擬音装置付のトイレ、自動式の水栓、全身を映し出す鏡、ランドセルなどを置ける棚なども好評でした。工事後の学校職員に対するアンケートでは、「ただきれいになっただけでなく、児童にとって使い易く、安心して使えるトイレになった」や「児童自らが意見して、自分たちの環境を変えるという特別な機会となった」などの回答がありました。この取組みが、私たちが目標としてきたことの結果として表れつつあることを嬉しく感じます。そして、児童生徒が一生懸命プランを考える姿や、目を輝かせて完成したトイレを見ている姿を見ると、次のワークショップもさらなる成長をして頑張ろうという気持ちになります。平成27年9月に近江八幡市は「日本トイレ大賞」を受賞しました。これは、内閣府の有識者会議である「暮らしの質」向上検討会の提言にて、暮らしやすい空間へと転換する象徴としてトイレが取り上げられ設けられた賞です。快適なトイレの普及は国の施策によって推し進められています。それが、私たちが進めている学校トイレ改修の追い風となることを願っています。この事例の写真9完成後のトイレ(小学校)紹介が、児童生徒参画型のワークショップの実行を躊躇されている方々への「最初の一歩」につながるとうれしく思います。Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016019