ブックタイトルConsultant271

ページ
35/84

このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている35ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant271

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant271

2(上)現在の小松市公会堂から望む市役所前通り3(左)昭和34年当時の小松市中心部4(右)戦後の河岸端通り5(下)現在の河岸端通り露天が並び、江戸時代から最も賑わっていた。この通りにある京町交差点は、かつて藩の法度や掟書を掲示する高札場があり「札の辻」と呼ばれていた。明治期には小松の中心として多数の旅館が軒を並べ繁栄していたが、昭和5年の橋北大火とその2年後の橋南大火により、小松の中心街は甚大な被害を受けた。これを教訓として町割の背割り部分に蔵を配置し、袖壁を設けるなどして延焼を防止した。太平洋戦争後にかけては生活必需品が配給制となり、河岸端通りには店が次々と開かれ賑わった。昭和40年代になると北陸本線と立体交差して国道8号(現国道305号)につながる道路が完成し、同時に商業ビルも建設され、橋北地区の近代化が進められた。平成に入ると北陸本線が連続立体交差事業で高架となり陸橋が撤去され、河岸端通りは小松の玄関口として重要な4車線の幹線道路となっている。河岸端通り近くの中心市街地には、「こまつ町家」と表札が掲げられた約1,100軒の伝統的な建築様式の家屋が存在し、寺院などとともに町人文化が栄えた時代の面影を残している。特に材木町地区では小松市と『景観まちづくり協定』が結ばれ、多くの町屋が保存されて、かつての風景が今も保たれている。小松市では平成27年に『NEXT10年ビジョン』を策定し、国際都市を目指している。その一環として、小松駅を中心に駅東を未来タウン、駅西を伝統のまちとして改修を計画している。過去と未来が融合した温故知新を肌で感じることが出来る町である。<参考文献>1)『図説こまつの歴史』第10巻小松市史編集委員会2010年2)『目で見る小松・加賀の100年』池端大二1994年郷土出版社3)『新修小松市史資料編11(民俗)』石川県小松市2014年<取材協力>1)小松市立博物館2)小松市立図書館<写真提供>1、2、5山上英之3、4小松市立博物館Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016033