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Project 1 briefプロジェクト紹介東日本大震災からの大槌町の復興?まちの再興に向けた都市計画?宮崎久美子MIYAZAKI Kumiko株式会社千代田コンサルタント東京事業部社会システム部総合計画室総合計画課■はじめに平成23年3月11日、千年に一度と言われる大津波を伴う大地震に襲われた大槌町は、岩手県内でも特に大きな被害を受けた自治体である。津波浸水高22.2mという未曾有の大津波と直後の火災により、人口の一割もの尊い命1が奪われた。市街地を形成していた用途地域指定エリアの大部分が家屋流出等の浸水被害2を受け、これまでに築き上げてきたかけがえのない街並みや産業経済基盤の全てが壊滅的な状況となった。多くの職員の命が奪われた中、一刻も早い復興を目指し、全国の自治体からの派遣職員は、平成27年12月時点で延べ587名にものぼった。また、UR都市機構等の支援を受けて、町・県・国が一丸となった復興事業が現在も推進されている。大槌町のまちづくりについては、基本的な方針を記した『大槌町東日本大震災津波復興計画(基本計画)(平成23年12月)』の改正版を平成26年8月に策定し、これに基づいて都市計画を全面的に見直した。本稿では、大槌町から受託した大槌町のまちの再興に向けた都市計画の見直しについて紹介する。■都市計画の見直し内容大槌町の都市計画の検討は『大槌町都市計画マスタープラン(平成26年8月)』による土地利用等の方針と、これに基づく都市計画の具体的内容を町内調整及び国・県との協議により進めた。都市計画の見直しに関する受託業務の範囲の概要を図2に示す。■都市計画マスタープランの策定都市計画マスタープランは、都市計画法第18条の2に位置づけられた『市町村の都市計画に関する基本的な方針(平成26年8月)』であり、この内容を指針として具体の都市計画を定めるものである。具体的な役割は以下の二点である。1東日本大震災津波によって甚大な被害を受けた大槌町においては、一日も早く復興を成し遂げるため都市計画分野で実施すべき内容を明らかにすること2復興事業が一段落した後を見据えて、住民や事業者と協働でまちづくりを進める際の羅針盤となることまちづくりの目標は『大槌町東日本大震災復興計画(基本計画)』と同じとし、用途地域(土地利用)、道路等の施設や市街地の整備のあ凡例都市計画区域1 人的被害:死亡届受理数1,232人、行方不明者2人、震災関連死51人(平成27年10月時点)。2 家屋被害:全壊・半壊4,090棟、一部半壊156棟で、被災棟数合計4,246棟(平成27年10月時点)。図1大槌町の位置と大槌都市計画区域写真1蓬莱島(ひょっこりひょうたん島)034Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016