ブックタイトルConsultant271
- ページ
- 4/84
このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Consultant271 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Consultant271
論説・提言第5回このコーナーでは「日本が目指すべき姿と社会のあり方、そこで必要とされるインフラの実現に向けた方策、そしてその際に果たすべき建設コンサルタントの役割とは」をテーマに、各専門分野の視点からの提言を掲載しています。アイ・コンストラクションにおける建設コンサルタントへの期待CIMの導入と普及CIM(Construction Information Modeling)とは、計画・調査・設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工や維持管理の各段階においても3次元モデルに連携・発展させ、それを事業全体にわたる関係者間で情報共有することにより、一連の建設生産システムの効率化と高度化を図るものです。新しい施策や政策の実行ツールを投入するときには、必ず従前の施策や使用していたツールとの軋轢が生じることは一般的です。CIMの導入においても「今使用している政策・ツールで何か不都合なことがあるのか!」というように、技術者自身の周辺環境の変化に対する抵抗から軋轢が生じるのは当然なことだと思います。少しCIMとは離れますが、新しい事象に対して、その人の置かれた立場や視点によって、評価が正反対になることがあります。例えば世界経済フォーラムによる「ロボットの投入によって、人類は2020年までに500万人以上の人が職を失う」という考え方は、将来にわたって人口が減少し労働力不足が課題である我が国にとっては、「ロボットの投入によって、人類は2020年までに、500万人以上分の労働力を確保できる」と前向きの評価になります。アイ・コンストラクション我が国の建設労働力不足は慢性化しつつあります。国家財政は逼迫状況であり、建設分野の生産性の向上は待ったなしです。発注者である国土交通省が、今後の新しい方向としてアイ・コンストラクション(i-Construction)を唱え、実施に本格的に取り組もうとしているのは自然な成り行きです。アイ・コンストラクションとは、建設現場の生産性向上に向けた測量・設計から施工、さらには管理に至るまでの全プロセスにおける情報化を前提とした新基準を導入することです。このアイ・コンストラクション政策を支える主要なツールが、3次元CADをベースにしたCIMです。ドローンによる測量やロボットの活用に代表される、情報化施工・機械化施工はこの3次元CADがインフラとして整備されて初めて実行可能になるものです。国内の建設市場のみに頼る時代は終わろうとしています。海外市場へ進出する建設関連企業ではCIMを自在に使いこなすことが必須になりつつあります。海外の政府や企業が求めるプロジェクトに果敢にチャレンジするためにCIMはなくてはならないツールです。ちなみに、海外市場へ進出する韓国や中国の建設企業は、我が国の企業に対して大きく先行していますし、CIMの扱いにいたっては世界のトップクラスだそうです。我が国はいろいろな障害を克服して、CIMをできるだけ早く導入し、普及しなければなりません。克服の方法は二つあると考えます。一つは発注者が設計者に指示・命令することで、もう一つは結果として設計を担当する職場の利益・生産性が上がることです。建設コンサルタントのCIM我々の目指すものは社会資本のライフサイクル全体の生産性向上です。しかしながら、社会資本のライフサイクルを管理主体である国や地方自治体等が一貫して??????????? ?????????????????????????????????????図1 CIMの取り組み???????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ?? ????????????????????????????????????????????? ?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????語り手門松武(KADOMATSU Takeshi)一般社団法人建設コンサルタンツ協会理事一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)理事長?????????? ?????????????? ??? ????????CIM????????????????????????? ????1002Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016