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Project 2 briefプロジェクト紹介ブラジルチドメグサ等外来水生植物の効率的収集装置の開発西岡樹NISHIOKA Tatsuki株式会社エイト日本技術開発都市環境エネルギー事業部主任■はじめに近年、国内の多くの水域において外来水生植物の繁茂による河川環境、維持管理への悪影響が指摘されている。外来水生植物は、本来日本に生息していなかった種であることから、我が国の農業生産、漁業生産や在来種との競合、高い繁殖力などにより生態系に及ぼす影響が大きい。また河川、ダム、農業用排水路、ため池、調整池等において通水や維持管理面に障害を及ぼしている。そのため、定期的に外来水生植物を除去する必要がある。除去方法は、主に水上作業による収集と陸上作業よる陸揚げに分けられる。陸揚げについては重機による方法が確立されているが、収集については河川の浅瀬や狭隘部も含めて繁茂しているため、バックホウや清掃船等の水草回収船のみでの作業は困難で、人力作業を余儀なくされているのが現状であり、安全面やコスト面からも早急な対策が望まれている。本稿では、そのような問題点を解決するため、国土交通省九州地方整備局九州技術事務所の発注業務において実施した、外来水生植物の効率的な収集装置の開発結果について紹介する。■開発対象近年大規模な繁茂が報告されている外来水生植物であるブラジルチドメグサ、ボタンウキクサ、ホテイ表1代表的な外来水生植物の生態概要ブラジルチドメグサボタンウキクサ(ウォーターレタス)ホテイアオイオオカナダモ・泥に根を張り、水面を浮遊するように分布域を拡大(活着性)。・茎は長く1m以上になる。・茎の節から葉と根を出し、旺盛な繁殖力でマット状に群生する。・茎は簡単に破断し、断片が流水により分布域を拡大する。・茎の断片による栄養繁殖が極めて旺盛。・根だけでは繁殖しない。・貧栄養水域でも生育が可能。・水面を浮遊する(浮遊性)。・水中に枝を出し、多数の子株を生じて水面に広がる。・茎は短縮して、広卵形?扇形の葉をボタン状に重ねてつける。・無機養分の吸収力が強く、耐塩性もある。・根茎や越冬芽による栄養繁殖が極めて盛ん。・袋状の果実が水中で破れ、種子を放出する。・水面を浮遊する(浮遊性)。・水中に生息する沈水植物。・水深1m程度の場所では草丈3 0? 6 0 c m、栄養が豊富な場所では1.5m以上になる。・走出枝により旺盛に繁殖する。・茎は八角円筒形で柔軟、径は2?3mm、草丈1m以上になる。・殖芽や茎葉切片からでも栄養繁殖を行う。・日当たりのよい浅い停滞水域を好む。038Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016