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Consultant271
表2作業環境の類型区分ステージ1ステージ2ステージ3ステージ4水上からの作業のみ可能水上・陸上の作業が可能陸上作業のみで対応可能人力による作業が必要水上機械水上機械・陸上機械陸上機械人力作業〇開発対象(水上機械)×対象外表3既存収集機械の例?き込み式掴み式吸引式・主に沈水性(オオカナダモ)の収集・コンベアの先のカッターで水草を切断しベルトコンベアで収集・長さ10m×幅4m程度の大型のものが多い・浮遊水草(ボタンウキクサ、ホテイアオイ等)の収集・アーム先のバケットで対象物を掴み収集・長さ10m×幅4m程度の大型のものが多い・浮遊水草(ボタンウキクサ、ホテイアオイ等)の収集・船首の吸引ポンプで水面の水草を収集・長さ10 m×幅2 . 5 m程度の大型のものが多いアオイ、オオカナダモの生態を踏まえ開発対象を選定した(表1)。このうち、オオカナダモは沈水性植物であり他の植物と収集工程が大きく異なることから除外した。活着性のブラジルチドメグサは、浮遊性のボタンウキクサやホテイアオイと比べて土中に根を活着させ、水面を浮遊するように分布域を拡大する水草である。茎が複雑に絡みあっていることから、収集にはあらかじめ根を浮かせるか、茎を根本から切断し、浮遊させ、集積し、すくい上げる4工程が必要である。このため、収集工程として切断、浮揚、集積、捕捉の4工程が必要であるブラジルチドメグサを開発対象とすることで、収集工程の少ないホテイアオイやボタンウキクサの収集も対応可能となるよう検討を進めた。■作業環境収集作業は、繁茂箇所の作業環境から様々な制限条件が想定され、これを全てクリアできる機構にすることは、高価格で技術的にも複雑となることが考えられる。そこで特徴的な作業環境から、開発対象を明確化するために4つの作業ステージ(表2)を想定してターゲットを絞り込み、効率的かつ安全な収集技術を検討する必要があった。その結果、ステージ2及び3の陸上作業については、バックホウ等の汎用の建設機械を使用した作業で十分対応可能であり、ステージ4については繁茂範囲も小さく、機械化するメリットはあまり大きくないことから開発対象はステージ1及び2とし、水上機械作業を選定した。■既存収集技術既存収集機械の構成は、上部構造である収集機構と、下部構造である動力機構に分けられ、対象とする水草の種類、繁茂状況や、収集を行う現場条件に最適となる組み合わせで構成されている(表3)。既存の水上専用機械は大型のものが多く、大河川・湖沼等で異常繁茂状態の際に効率的に使用されている。今回開発対象としたブラジルチドメグサは、河川の大小を問わず、河岸に沿って中規模の繁茂が連担する傾向にあるため、水深の浅い河岸での作業が主となる。また、これらの専用回収船の多くは数千万円と高価であり、例年大量繁茂する環境でなければ導入が困難である。このため、既存収集機械の対応が効率的でない、中小河川及び繁殖初期状態を対象として、経済性を踏まえて検討を行った。■開発装置外来水生植物収集装置は、小型台船(2×3m程度)に架台を取り付け、その上にアームを固定し、アーム先端部の可動台に作業に必要な装Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016039