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Consultant271
に動く構造として、稼働台に設置した各装置を作動させて収集作業を行う。収集装置の概要を図1に示す。■機能検証結果開発した外来水生植物収集装置による作業と、鎌や熊手を使用した人力刈取作業を同一環境において実施し、時間当たり収集量を比較した。その結果、収集装置は24m 2 /時、人力作業は6m 2 /時であり、人力作業に比べて約4倍の収集量であった。また、人力の場合は足場が不安定な船上において、身を乗り出した作業で落水の危険があることや長時間の作業が困難である。しかし、本装置を用いることで、高圧噴射された水のみ対象植物へ接触することにより切断作業時の船体のふらつき等はなく、掻寄時の作用力も船外機の推進力が受け持つため作業者はアーム操作と高圧噴射機のバルブ操作のみとなり、効率的で安全かつ長時間の作業が可能となった。なお、本収集装置とバックホウによる直接すくい上げ方法による収集量の比較については、作業環境が異なるため参考として整理した。比較においては、1人時間当たりの収集面積とし、本収集装置使用時の人員を2人、バックホウの事例を3.8人(実績平均)で換算した。その結果、本収集装置では12m 2/人・時、バックホウによる作業は19m 2 /人・時で、バックホウによる直接収集は本収集装置に対して1.6倍の作業量であった。本収集装置による外来水生植物の収集作業は、繁茂状態を問わず多くの中小河川で対応可能である。人が河川に入って鎌や熊手を使用した作業に比べて、効率性、作業性、安全性等の視点から、優位な収集方法と評価できる。一方、人力作業を含むバックホウによる河岸からの直接収集の収集量に比べて若干劣るものの、バックホウが進入できる場所が制約されることを踏まえると、水域から広範囲な作業を行える本収集装置の利点は大きいと考えられる。■おわりに本収集装置の課題として、台船の場合は免許が不要な2馬力船外機としたため、流速が速い場所や長距離移動において機動性が悪いことがあげられる。また、現状の切断機能は、ブラジルチドメグサ等の切断・収集を効率的に行えるのが限界である。近年では、それよりも茎が固く層厚に群生し、他の植物と混生することで一層切断・収集が困難となる他種(図2に示すナガエツルノゲイトウ等)の繁茂分布領域が拡大している。この課題に対して、本収集装置の切断機能及び推進機能の向上、さらなる作業性向上のための各部自動機械化等について、平成27年度に改良検討及び検証実験を実施している。今後、改良後の装置について、効率的で安全な外来収集装置として広く活用されることを期待する。《上部:ブラジルチドメグサ》《ナガエツルノゲイトウ》《下部:ナガエツルノゲイトウの茎》特徴)多年生で、泥に根を張り、水面を浮遊するように繁茂域を拡大する。茎は長さ1m程度、中空で太さ4mm程度。横に這いながら枝分かれし発根。茎切片からも栄養繁殖可能で、非常に乾燥に強い。河岸では水面下数十cmに根が達し、多種と混生する場合がみられる。図2ナガエツルノゲイトウの概要Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016041