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Consultant271
OVERSEASKyrgyz Republic─キルギス共和国─オシュ市─中央アジアの真珠海外事情アブドゥカディロフ・ラスルベクABDUKADIROV RASULBEK株式会社片平エンジニアリング・インタ-ナショナル/開発業務本部キルギスタン第2の都市オシュキルギスタンは中央アジア諸国の一つで、かつてはソビエト連邦だった。面積は巨大ではないが、極小でもない。国土は高くそびえ立つ美しい山々に囲まれ、冷たく清らかな水に洗われ、鬱蒼とした緑の森に覆われている。この国は、手つかずの大自然と近代文明という正反対の要素が混在する、世界でただ一つの国であろう。だがここでは私の町オシュを紹介したい。長い物語を秘めた町、珍しい風習や伝統など興味が尽きない町なのだ。オシュはキルギスタンの7州の内のひとつで、キルギスタン南部のフェルガナ盆地の近くに位置する。州都オシュ市の最大の特徴は、3,000年以上もの歴史を持つ町だということだ。人々は「オシュの町は神の祝福を受けた世界最古の都市だ」と信じ、研究者は「オシュにはローマに並ぶ歴史がある」と言う。ここは古代シルクロードの要衝で、交易の町として栄え、売買交渉や物々交換が盛んに行われていた。隆盛を誇る貿易商であれば、活気と興奮あふれるこの町を一度は訪れたいと願う、そんな町であった。現代のオシュの街角にも、シルクロード時代の繁栄と喧噪の名残を感じることができる。現代のオシュは、首都ビシュケクに次ぐキルギスタン第2の都市であり、南部最大の都市とされる。オシュという名を初めて聞く人は、想像してみてほしい。世界のどこかに緑あふれる土地がある。中央には不思議な山がそびえ、山のふもとには森林でなく近代的な建物が広がっている。車の騒音が、盆地を流れる川によってかき消される。興味深い風習、様々な民族衣装。人々は親切で、やや保守的だが近代化も進みつつある。町の入口にある美しいアーチ型の門をくぐった旅人はいつで写真1オシュ市の入り口写真2オシュの街の風景046Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016