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Consultant271
写真1イズミット湾横断橋の建設状況(2015年9月)写真2 監理団の一同(本人は前列左から6人目の後ろ)図1イズミット湾横断橋建設プロジェクトの位置同時並行ですので、塔や桁の工場へ出向き、溶接作業などの不具合箇所の指摘などもしました。適切な品質が確保できるように留意しています。Q3本プロジェクト実施において組織運営に留意した点を教えてください。A3日本と異なる組織や基準に対応する必要があり、当現場の技術基準は、ユーロ基準で、技術文書は英語・トルコ語で作成しています。また、スタッフが日本人、韓国人、トルコ人で、短期にインドネシア人、ベトナム人が加わるなど、多国籍なので、全体打合せや文書は、英語に統一して行い、正式文書は、トルコ語にします。このようなコミュニケーションと、ドキュメント管理に留意しながら、組織運営に取り組んでいます。Q4プロジェクトの実施において、JVのパートナー社や関連機関との関係でどのような点に留意されていますか。A4情報伝達に留意しています。BOT会社はKGMとプロジェクトの設計・工事・管理・移管の契約を結びました。我々の工事監理業務もKGMと契約を結びました。しかしながら、我々の業務の資金は、BOT資金の中に含まれている、つまり金はBOT会社から払われているという複雑な形態です。工事監理は、主に405kmの道路全体を含み、技術指導は、BOT会社と、BOT会社を構成する建設会社がJVとなった元請施工会社を相手に実施します。その下請工事として吊橋の工事がありますが、吊橋の施工管理と言っても、直接、下請け(IHI)を指導する訳ではなく、元請を指導します。私の事務所もコンサルタント組織の一事務所ですので、正式に指導する場合は、本部に書面をだし、本部がKGMとBOT会社に書面を出し、返事は本部への書面を受け取るという状況ですので、情報伝達経路が長くなります。このような体制では、指導文書を出すのも大変ですから、緊急なものなどは、写真や簡易なレポートを作成し、元請会社に直接説明し、それを事務所で記録として残す努力をしています。Q5今後海外業務に取り組もうとする後進へのアドバイスがあれば、お願いします。A5若手の場合は、まず技術の勉強が大事で、それを糧に海外へ興味をもってほしいと思います。中堅に対して思うことは、分野の幅を広げることと語学力の強化です。設計なら上/下部、鉄/コンクリートといろいろ対応する必要があります。言葉の問題は大変で、打合せでも貝が閉じたようにしゃべらない方、しゃべる方でも一方的で、大多数が理解できない時もあります。会議でちゃんと発言し、相手のコメントを引出し、相手の言うことを理解し、受け答えができるようになることを目指すべきです。?まとめ海外の仕事は、専門性もさることながら、柔軟性やコミュニケーション能力の方が重要となるケースが多々あります。課題に対して現地のカウンターパートと協業することで乗り越え、一つのプロジェクトを成し遂げていく達成感とやりがいが、海外事業の醍醐味の一つと言えます。Civil Engineering Consultant VOL.271 April 2016055