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オランダ冬至出島の祝日に「オランダ冬至」がある。江戸時代、冬至は旧暦の11月中に行われた。西暦では12月20日過ぎになるが、オランダ人は冬至の祝いに見せかけてキリスト降誕祭を祝ったのではないだろうか。当時、欧米ではクリスマスの時に“boar’s head”といって猪の頭を調理して饗宴に供したが、石崎融思の『長崎古今集覧名勝図絵』には豚の頭の料理がテーブルの上に飾られていた。石崎融思は当時の長崎の御用絵師兼唐絵の目利きである。写真3有平糖(ぬくめ細工)この日を「オランダ正月」といった。1818(文政元)年頃に編纂された『長崎名勝図絵』には、その時の献立が描かれているが、日本、中国、西洋料理が入り混じっている。また、図絵には、「紅毛人が箸を用いず、ホコ(オランダ語vork・フォーク)やハーカー(ポルトガル語faca・ナイフ)、レイベル(オランダ語lepel・スプーン)の三つを用いて食事をなし、食卓にはこしろかねきんの他に中皿に入れた白金巾を置き、それは食事中にひざの上に広げられるもの」と記されている。しっぽく長崎卓袱料理中国語で「卓」はテーブル、「袱」はテーブルクロスの意味で、中国料理を食べる膳の形式が基本になっている。卓袱料理は長崎の海、山に囲まれた風土と海外交易により食材を豊富に手に入れることが出来たのを巧みに利用し、日本料理(和)・中国料理(華)・西洋料理わからん(蘭)を取り入れた。別名「和・華・蘭料理」ともいう。元来、団らんを楽しむ家庭料理が発祥だが、現在は料亭に移り、盛りつけも豪華になった。宴会が始まるまで控えの間で待ち、準備が整うと朱塗りの円テーブルを4~5人で囲んで座る。テーブルの写真4長崎卓袱料理(料亭「春海」)020Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016