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従来方式ファストトラック方式図3ファストトラック方式のイメージ設計設計設計を終えた部分から着手け、議論を深めた。設計思想や施工手順などは、デザイン会議で方向性が確認され、役割分担が決められた。町民からの意見も受け入れ、対応方針も決めていくことが多々あった。当社が担当したプロムナードやテナント商店街などのプロジェクトも、デザイン・設計の確認や了承を得ながら進めていった(図2)。■ファストトラック方式の採用もう一つ、復興まちづくりのポイントがある。本プロジェクトのうちプロムナード設計に適用したファストトラック(Fast Track)方式により、大幅な工期短縮ができたことである。ファストトラック方式とは、当社が行った実施設計の完了した部分から、順次、女川まちづくりJVに引渡し施工を進める方式である。この方式の採用により、手戻りを最小限に抑え、効率的に施工したことが「おながわ復興まちびらき2015施工施工工期短縮春(平成27年3月21日)」をマイルストーンとする、復興まちづくりの工期を守ることができた秘訣でもあった(図3)。■プロムナード設計プロムナードとは、女川駅前広場と女川湾を一直線に繋ぐ全長約200m、幅員15mの煉瓦敷きの歩行者専用道路である。プロムナードは女川町のシンボルとして位置づけられ、町の玄関口として、中心市街地に人々が集まり、回遊して賑わいを広げる機能を備えるものとした。プロムナードのデザインは、平成26年11月に策定された『女川町まちづくりデザインのあらまし(初版)』と整合し、「海を眺めて賑わい、暮らす、まちの居場所としての交流拠点」をデザインコンセプトに設定した(図4)。●プロムナードデザインの基本構成プロムナードは、中心市街地のシンボル軸として、町の骨格を形成する。商業施設、公共施設はプロムナード周辺に集中しコンパクトなまちづくりとなる。プロムナード自体も単なる通過動線ではなく、オープンカフェの雰囲気を伴いながら、海を眺めて商業活動できる場とする。二列の並木道の先に海が見える視線軸を確保しながら、季節ごとに雰囲気が変わる木々で彩られた、小公園が連続するような歩行者専用道路とする。●設計コンセプト「地域産業の有機的連携により、新たなにぎわいと自然環境に調和した、いやしの空間」の主軸となる。プロムナードを中心に町民や観光客が利用する、海を見ながら買い物や飲食を楽しむ賑わいの場となる。周辺施設から人が集まり、人が回遊しにぎわいの軸を広げる拠点となる。沿道建物と一体的に利用されながら様々なシーンが連続する空間を創出する(図5)。●空間構成日常利用のほか、様々なイベントにも対応できる空間とし、煉瓦舗装主体で、ストリートファニチュアは並木の軸線上にコンパクトに整理する。二列並木による横断構成4.5+図4プロムナードの計画概要図5プロムナード平面図Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016037