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論説・提言第6回このコーナーでは「日本が目指すべき姿と社会のあり方、そこで必要とされるインフラの実現に向けた方策、そしてその際に果たすべき建設コンサルタントの役割とは」をテーマに、各専門分野の視点からの提言を掲載しています。復興に果たした建設コンサルタントの役割語り手聞き手一般社団法人建設コンサルタンツ協会理事角田光男(TSUNODA Mitsuo)一般社団法人共同通信社社友東京都市大学非常勤講師一般社団法人建設コンサルタンツ協会前副会長前川秀和(MAEKAWA Hidekazu)1948年東京生まれ。東京工業大学工学部(社会工学専攻)卒業。19 7 2年共同通信社に入社。編集局科学部、社会部、メディア局などに在籍した。被災地とのつながりでは、仙台と盛岡に合わせて10年勤務した。2008年定年退社。その後2012年9月までメトロポリタンテレビ(MX)ニュースコメンテーター。著書に『メディアつれづれ帖』『9chテレビつれづれ帖』などがある。1955年石川県出身。東京大学工学部土木工学科卒業後、建設省(現・国土交通省)入省。大臣官房技術調査課長、北陸地方整備局長、道路局長を歴任。2 013年11月から(一社)建設コンサルタンツ協会顧問、現在副会長兼専務理事を歴任。また、2006年3月に金沢大学大学院環境科学専攻で工学博士を取得、東京工業大学屋井鉄雄教授と共著の『市民参画の道づくり(ぎょうせい)』がある。『命の道』を切り開く前川:2014年1月に当協会から『東日本大震災『命の道』を切り開く3・11最前線の初動13人の証言』が発刊されました。現地に赴き、いろいろな方の話を聞いて執筆されたと聞いています。角田:東京工業大学を卒業し、共同通信社での40年の記者生活で、盛岡で4年と仙台で6年過ごし、東北は「第二のふるさと」と思っていたところ、2011年3月11日に東日本大震災が起こりました。すぐに行きたかったのですが、仕事の関係で東京を離れることができませんでした。2011年5月に震災後初めて行き「ここは自分の人生を重ねてきた所なので、取材して何かの形にしなければいけない」と思ったわけです。そんな矢先、建設コンサルタンツ協会の50周年記念で何か本を作りたいとの話が舞い込みました。実は、津波で被災した直後に、第一線の土木に関わる人たちは、道路の瓦礫を取り除く「啓開」を官民連携で取り組みましたが、あまり知られていません。そのため「初動時に不眠不休で頑張った人たちのことを書かないか」と言われました。私も現地を少し取材していたので「やりましょう」となりました。共同通信社時代の同僚のOBカメラマンと2人で沿岸を歩きました。本には13人しか載せていませんが、もっと多くの人と話をしました。震災から1年半くらい過ぎていましたが、それでも、ご当人たちにとっては、思い出すのも苦しいようで、言葉に詰まることが何度もありました。前川:この本は点字図書館の蔵書にもなっていて、目の不自由な方にも読まれているとお聞きしました。角田:東京・高田馬場の社会福祉法人日本点字図書館に点字図書や録音図書があります。震災から丸5年となる2016年の3月に録音図書となりました。ボランティアの女性が落ち着いた声で「題名はこうです、目次はこうです」と、丁寧に読んでいます。元々インタビューでしたから、話し言葉がすごくなじみます。5年の時を経て耳で写真1 書籍『『命の道』を切り開く』の表紙写真2 冊子『震災復興への道のり』の表紙002Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016