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Project 2 briefプロジェクト紹介バングラデシュ国ダッカ市廃棄物管理能力強化プロジェクト?市職員の意識改革を目指した実施アプローチ?荒井隆俊ARAI Takatoshi八千代エンジニヤリング株式会社国際事業本部/都市環境部廃棄物計画課主幹このプロジェクトの目的は、ダッ■プロジェクトの背景著しく老朽化していた。また、市の040Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016現在のバングラデシュ国の首都ダッカ市は、北ダッカ市と南ダッカ市に分割されている。分割される前の2011年の人口は690万人、面積が145km 2で人口密度4.75万人/km 2と世界屈指の人口過密都市である。ちなみに、東京23区の人口密度は2009年で1.4万人/km 2である。2007年当時、ダッカ市のごみ排出量は日量約4,000tで、このうち収集されていたのは40%の1,600tでしかなかった。そのため市内のいたるところにごみが不法投棄され、大きな社会問題となっていた。廃棄物管理を所管するダッカ市の廃棄物管理局は、総職員数が9,000人で、そのうち道路清掃員が8,000人、保有するごみ収集車両は約400台あったがごみの埋め立て地である最終処分場は適正な運営が行われず、いわゆるオープンダンピング(野積)サイトとなっていた。当社では、2007年から約7年間にわたり独立行政法人国際協力機構の技術協力「ダッカ市廃棄物管理能力強化プロジェクト」を実施した。プロジェクトは図1に示すように、2003年のダッカ市廃棄物管理計画調査(クリーンダッカマスタープラン)を受けて実施された。プロジェクトの実施期間中には、並行して日本国の債務削減相当資金を活用した最終処分場整備や、無償資金協力事業によって約100台のごみ収集車の調達と車両修理工場の建設等が行われた。カ市廃棄物管理局の運営・維持管理能力の向上であった。プロジェクトでは、ダッカ市に対して、廃棄物管理局の組織・財務管理能力、広報、住民参加、収集運搬、最終処分など多角的な強化を行った。本稿では活動の柱の一つであったワードベースドアプローチ(WBA:WardBased Approach)を紹介する。これはごみの収集運搬の改善を中心に、住民参加、道路清掃の改善及び現場への分権化を目的とした活動である。■ダッカ市のごみ収集運搬の■状況ダッカ市のごみの収集運搬は、1家庭からごみ置き場(ダストビン、ダッカ市廃棄物管理計画調査開発調査(クリーンダッカマスタープラン)(2003年11月~2006年3月)ダッカ市廃棄物管理能力強化プロジェクト債務削減相当資金青年海外協力隊(2007年2月~2011年2月)既存マトワイル処分場の改善・拡張環境教育アミンバザール処分場の改善本プロジェクトとの連携無償資金協力事業草の根無償同延長フェーズ(2011年8月~2013年2月)廃棄物収集車の供与・修理工場の建設医療廃棄物支援図1日本国のダッカ市廃棄物管理に関わる支援実績