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く、清掃監視員は市から配られるオートバイとトランシーバで、ワード内の清掃・収集現場を巡回していた。当然のことながら、文書の作成や保管する場所もなく、まともな管理はできていなかった。WBA1では、ワード清掃事務所を建設し、その事務所の機能を強化した。具体的には、住民からの苦情対応、清掃員の労務管理・指導、一次収集業者との協議、書類や機材の管理、予算管理である。本プロジェクトでは約20カ所のワード清掃事務所を建設し、管理能力の強化を図った。住民にとっても、地域に清掃事務所があることで、清掃に関わる苦情などを訴える窓口ができた。また、それまでバイクで巡回するだけの存在であった清掃監視員が、事務所を与えられたことで、廃棄物管理事業に対するモチベーションが大きく向上した。写真2従来の清掃員の不衛生な作業状況■WBA2清掃員の作業環境■改善(顧みられることのなか■った清掃員に光を当てる)ダッカ市の約8,000人の清掃員は、道路清掃や二次収集の補助作業(ごみの積み込み作業)を行っている。清掃員たちは、衛生や安全に対する認識が極めて低く、ごみを直接素手で扱う等、不衛生な労働環境で働いていた。また夜間作業中には、交通事故に遭う等の課題があった。このような危険で不衛生な作業を行っているため、同じ市の職員からも蔑まれていた。WBA2では、清掃員が安全かつ衛生的に作業を行うことができることを目標に、作業ガイドラインの作成・普及、安全具の支写真3ワークショップの風景給、ワークショップの開催等の活動を行った。特にワークショップでは、廃棄物管理局長などの幹部職員が、目指すべき廃棄物管理事業や同事業の重要性など説明した。これらの活動は単なる作業環境の改善にとどまらず、従来ほとんど顧みられることのなかった清掃員が、市職員として廃棄物管理事業を担っているとの自覚と誇りを促すものであった。■WBA3住民参加型廃棄物管■理事業の導入(住民を巻き込■んだ新たな事業へ)ダッカ市ではコミュニティーという概念が希薄で、廃棄物管理に関わる住民活動は行われてこなかった。廃棄物管理を改善にするには、ダッカ市役所の努力だけでは限界があり、コミュニティー自らが率先し図3作業ガイドライン042Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016