ブックタイトルConsultant272

ページ
45/66

このページは Consultant272 の電子ブックに掲載されている45ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant272

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant272

写真4グループでの住民集会写真5啓発を目的とした音楽祭写真6住民ととともに行った地域清掃??1オープントラックによるダストビンからのごみ収集(2 0 0 5年以前)24時間ごみを排出できるダストビンは不衛生、トラックへの積込作業も劣悪であった写真7ダッカ市の二次収集改善の変遷2コンテナによるごみ収集(2 0 0 5 ?2010年ごろ)収集効率は高いが、24時間ごみを排出できるコンテナは不衛生かつ渋滞悪化の原因であった3コンパクター車による定時定点収集(2010年以降)ごみが市街地にとどめ置かれる時間が短縮し、衛生環境が改善したて地域の環境・美化を推進する必要があった。WBA3では、住民参加型の廃棄物管理事業を導入し、清掃監視員が中心となって、住民と協力しながら活動した。ダッカ市役所にとっては、廃棄物管理事業が住民を巻き込んだ新たな事業へと変貌する契機となった。元々コミュニティーの意識が希薄な地域であったため、対象地域の中で環境問題に積極的な住民からなるグループを設立することから始め、その上で、住民とともにアクションプランを作成し、それに基づいて啓発キャンペーンや地域清掃などを行った。■WBA4収集運搬の改善■(総合力の試されたコンパク■ター導入)WBA4は、ダッカ市が行っている二次収集の改善である。ダッカ市は、従来オープントラックによるごみ収集が主体であったが、順次、コンテナ収集に切り替えてきた。2010年に日本国の無償資金協力事業でごみ収集車が供与されたのを契機に、WBA4の一環として、コンパクター車(日本で一般的に見られるごみ収集車)によるごみ収集を導入した。これにより、ごみの収集方法が大幅に変更することになった。その際に、それまでWBAで培われた総合力が発揮され、高い意欲を持った清掃監視員が住民や一次収集業者と率先して協議し、収集時間や収集場所などの調整が行われた。■WBAの成果このような海外の行政機関への技術協力を目的としたプロジェクトでは、当該行政機関の職員と一緒に実施することとなる。そのため、職員自身にやる気がなければプロジェクトは成功せず、いかにしてやる気を引出すかポイントとなる。本プロジェクトでは、WBAを通じて意欲の高い職員が多数出てきた。またWBAという活動の核ができたことで、「広報」「収集運搬」「住民参加」「組織制度」「財務」など分野ごとの活動が一体化し、総合力が発揮される環境が構築された。このように問題を解決すべき小さな単位に分解するWBAのコンセプトは、プロジェクトの実施アプローチとして一つのモデルとなり得ると考える。Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016043