ブックタイトルConsultant272

ページ
46/66

このページは Consultant272 の電子ブックに掲載されている46ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant272

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant272

カリオカ水道橋と大聖堂第69回古代ローマの水道橋を模した「カリオカ水道橋」ブラジル、リオデジャネイロ八千代エンジニヤリング株式会社/技術推進本部/技術管理部-近藤安統/KONDO Yasunobu(前会誌編集専門委員)■路面電車が走る水道橋2014年7月にFIFAワールドカップが開催されたブラジルのリオデジャネイロ。2016年8月には第31回夏季オリンピックが開催される。2012年には、キリスト像で知られるコルコバードの丘やコパカバーナ海岸を含むグアナバラ湾周辺などが「山と海に囲まれたカリオカの景観群」として世界遺産に登録された。コルコバードの丘からは、カリオカ山地によって北部と南部に分けられたリオデジャネイロの主要地域が一望できる。中心市街地には1976年に完成した円錐形のステンドグラスが美しいメトロポリタン大聖堂がある。このすぐ側にリオデジャネイロのシンボルの一つとなっているカリオカ水道橋がある。カリオカとはポルトガル語で「リオデジャネイロ市出身の人」という意味である。橋はブラジルがまだポルトガルの植民地だった時代に、郊外の水源地から中心市街地の住民に水を供給するため、1750年に建設されたローマ様式の石造りの水道橋である。しかし現在、橋には黄色い路面電車が走っている。なぜ路面電車が走っているのだろうか。■リオデジャネイロの歴史1494年にスペインとポルトガル間で『トルデシリャス条約』が締結され、新大陸の所有をめぐる両国間の問題は、カーボ・ベルデ諸島の西1,776km(370リーグ)の海上で子午線に沿った西経46度37分の東をポルトガル、西をスペインが領有することで解決した。この境界線は南米大陸の東を縦断しており、ブラジル最初の国境を形成している。ブラジルがブラジル到達者として知られるポルトガル人のペドロ・アルヴァレス・カブラルによって認知されたのは、この条約締結から6年後の1500年になってからであった。コーヒーは18世紀にフランス領ギアナから初めてブラジルにもたらされた。初期のコーヒー農園は、奴隷による労働力が豊富にあったリオデジャネイロの奥地にあった。044Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016