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写真4カリオカ水道橋の全景(左上が下流側)写真3軌道敷となっているカリオカ水道橋の橋面図6軌道敷の断面図高さ7cm、幅15cmであり、外側に6cmの石膏が塗ってあった。軌道断面には30cm×50cm程度の窪みがあり、現在は排水溝として利用されているが、当時は水路として用いられており、水道橋の規模に比べると通水量が少ないように感じられる。■事故からの復活2011年8月27日、サンタ・テレーザの丘からカリオカに向けて下っていた路面電車は、カーブを曲がりきれず脱線して横転した。この事故で運転士を含む5名が死亡し合計62名の死傷者を数えた。このため安全が確保されるまで運行が中止されていた。2015年7月、新しい路面電車は試運転を開始し、2駅区間約900mを30分おきに無料運行している。試運転区間では多くの観光客と地元住民が利用していた。道ばたでは手を挙げた人も乗せていた。新型車は近代的なコントロールパネル、電子制御の駆動システム、格納式ランニングボード(降りる時の踏み板)を有することに加え、低消費電力化、ダイナミック磁気ブレーキシステムが装備されており、グラスファイバーでコーティングされたスチールフレームで車体を強化している。また、立乗りが危険なため木製ベンチの定員32人以下で運行し、安全性を確保している。■これからカリオカ水道橋周辺では最近、大規模なイベント施設やマンションが建設されており、ライブハウスやレストランのほか、週末の夜ともなると鮮やかなネオンがきらめき、大勢の人々で賑わっている。しかし、この安全で楽しい雰囲気は警察による重点的な警備のおかげであり、カリオカ水道橋周辺に警察官がいない時には、荷物を持った観光客は立ち入らない方が良いと言われている。ブラジルのGDPは、世界第7位で日本の約半分、イタリアと同等であり、道路・鉄道などのインフラ整備が進められているが、経済状況は厳しく思うように進んでいない。オリンピック・パラリンピックなどの開催を契機として更なる発展が望まれる。<参考資料>1)『OFICINA de ESTUDOS da PRESERVACAO』Projeto de Restauracao dosArcos da Lapa, IPHAN,2010年9月2)「外務省ホームページ」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brazil/)3)「在ブラジル日本大使館ホームページ」(http://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/)4)「駐日ブラジル大使館ホームページ」(http://www.brasemb.or.jp/)<取材協力・資料提供>1)IPHAN(Instituto do Patrimonio Historico e Artistico Nacional)2)Astorga(Consultoria Planejamento e Gerenciamento de Projetos)3)Julia Mograbi & Fujiko Nishiyama(通訳)<図・写真提供>図1、2、3、4、5、6、写真2 Iphan写真3塚本敏行写真2、4近藤安統Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016047