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ってくれる。しかしその後、何度も訪問させられ、その都度期待を持たせる返事をしておいて、最後にはやっぱりできないと言って断ってくるのが日常茶飯事である。それなら初めから曖昧な返事をしてくれればこちらも期待しないが、大きな期待を持たせられるだけ裏切られたという失望感が大きい。おそらく彼ら自身に悪気は全くなく、「約束」という概念がないだけなのだろう。写真7湧水に集まる人々辺だけを見ていても、こんなところに人は住んでいないだろうと思われる山奥にもたくさんの人が住んでいる。これは、自給自足とカスタマリーランドの文化によるものだろう。治安プロジェクトを開始する上で現地の治安が懸念された。金品目当ての強盗が多発しているが、凶悪犯は少ないとの事だ。確かにスーパーマーケットなどは厳重な警備がなされているが、街の様子は長閑で平和に見える。部族同士の争いが現代も続いているこの国では、金品を奪い合うのも彼らの生活スタイルなのであろう。近年、レイ市の刑務所では2度の脱走事件が発生しており、最近の事件では100人を超える囚人が脱走し、そのうち数十名が射殺されたと言う。また、都市部では近代化により色々な部族が混ざり合って生活しているが、地方部ではやはり注意しなければ「よそ者は皆敵だ」という考えが残っていると思われる。人々パプアニューギニアの人々はとてもフレンドリーで、よく挨拶もしてくれる。我々に対するおもてなしの気持ちも大きい。しかし、仕事をする上では人々の適当さには呆れてしまう。これまで色々な途上国で仕事をして、日本人とは違った適当な人々に手を焼いてきたが、この国は別格であった。何かの依頼をするとその時の返事は抜群に良く、すぐ対応すると言写真8釣舟に乗って遊ぶ子供達最後に東京からポートモレスビーへは週1便の直行便が飛んでおり、所要時間は6時間半と意外に近い。日本からこれほど近いところに地球最後の楽園が残っているのだから、もっと多くの日本人が渡航することを期待したい。パプアニューギニアの観光の発展には、治安と物価という二つの大きな障壁がある。近年の急速な社会の発展により、これらの状況は改善されていくものと思うが、一方で現代まで残されたこの貴重な楽園は、このまま維持して欲しいと願っている。Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016051