ブックタイトルConsultant272

ページ
60/66

このページは Consultant272 の電子ブックに掲載されている60ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant272

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant272

国際委員会だより【第25回】Message from International committee実践的海外プロジェクト12?シニア技術者の海外業務への取り組み?国際委員会浦元啓│URA Motohiro?インタビュー対象者プロフィール対象者:藤澤博(FUJISAWA Hiroshi)(58歳)所属:日本工営(株)専門分野:橋梁、道路経験年数:国内15年、海外21年海外業務実施国:フィリピン、ラオス、タンザニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ウガンダ、スリランカ、インドネシア等14ヶ国?プロジェクト内容プロジェクト名:シンズリ道路建設事業発注機関名:国際協力機構、ネパール国公共インフラ交通省道路局実施期間:2011年8月~2015年3月担当業務:業務主任/常駐監理技師?インタビュー内容Q2A2の山岳道路の経験を設計と施工に活かし、調査開始から30年の歳月を経て完成しました(表1)。本プロジェクトでの課題や苦労した点について教えてください。シンズリ道路建設は、1996年に着工し、最終的には4つの工区に分割され、11件の事業により段階的に建設されましたが、私は最後の第2・第4工区において、準備調査と2012年7月から2015年3月の竣工まで、約3年に亘り施工監理に携わりました。担当した工区は河川沿いの急峻な山腹と河岸を通過する22.5kmの区間です。シンズリ道路建設で採用した構造物としては、コスト縮減に応じ現地技術を活かした角型じゃかごによる擁壁、本邦技術によるジオテキスタイルを用いた補強土壁等がありますが、山岳道路の要となる排水構造物と併せて、地形、地盤の変化にいかに対応するか、現場でのきめ細やかな判断も鍵となりました。Q1A1ご紹介いただくプロジェクトの概要を教えてください。シンズリ道路建設事業は、インド国境を跨ぐテライ平原からネパール国の首都カトマンズ盆地を結ぶ160kmに及ぶ無償資金協力による全天候型の新設道路の建設事業です(図1)。対象区間は山岳地域にあり、標高2,000m級の山々からなるマハラバット山脈を横断し、急峻な地形と脆弱な地質の山岳部と河岸を通過する厳しい自然条件にあり、ネパールにおいても最難関路線のひとつでした。環境にも配慮しつつ同国の実情に応じて、日本図1プロジェクト位置図058Civil Engineering Consultant VOL.272 July 2016