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その後、旧牛窓町の図書館は台風による高潮の床上浸水などがあり、2010年には独立した図書館がなくなっていた。旧牛窓町の図書館もあまり利用されていたとは言い難く、岡山県図書館協会がまとめた県内市町村立図書館60館の調査でも、2009年度の「登録率」「人口当たり貸出冊数」「人口当たり蔵書冊数」「人口当たり年間受入冊数」など、すべての項目で県内ワースト1位だった。しかし、2009年に現在の武久顕也市長が図書館整備を公約に当選すると、新しい図書館づくりの計画がスタートする。武久市長はイギリスの事例な写真2瀬戸内市民図書館の「もみわカフェ」。おしゃべりや飲食ができる市民の憩いの場だどを見聞した結果、民間に運営を委託する指定管理内市民図書館は子どもたちや市民の新たな居場所であ者制度は、瀬戸内市における「人づくり」という大事なり、コミュニティの場として機能し始めていた。図書館の役割にはなじまないとして、公設公営を決断全国には、瀬戸内市民図書館以外にも「市民図書館」したという。と名付けられている図書館がいくつもある。その中で、その方針に沿って、新しい図書館の館長が公募によもう20年以上前から、市民とともに歩んできた図書館り決まり、市民とともに開館までの準備を進めることにが佐賀県の「伊万里市民図書館」だ。1995年7月の開なった。行われたのは徹底した情報公開と住民参加館以来、地域のコミュニティの中核であり続け、今も全だ。市民数十人が参加する「としょかん未来ミーティン国から「理想の図書館」の実例として注目され、視察がグ」が12回にわたって開かれ、市民が市内の社会教育多く訪れる。施設を見学。その課題を共有しながら、新図書館でや市民の利用者登録は6割を超えるが、単に貸出が盛るべきことや、実現したいことを共に考えていった。結んなだけではない。象徴的なのは、この図書館の誕生果は2013年3月策定の「瀬戸内市としょかん未来プラを祝うために多くの市民が毎年、集まることだろう。ン」(新瀬戸内市立図書館整備実施計画)へと反映さ1993年2月のこの時期になると、伊万里市民図書館のれている。起工式が行われた際には市民200人も参加。現在も、そうして完成した図書館を訪れると、子どもたちの姿毎年2月26日になると「めばえの日」として集まり、自治が目立つ。実は、未来プランの策定には市内の中学生や体や図書館関係者が市民とともに、ぜんざいを食べる高校生も関わっていた。公募された中高生14人が、中という。学校でアンケートを実施。その中で出された様々な要望もともと図書館を持たなかった伊万里市は、市民によや意見が、図書館づくりに反映されたという。開館後、る図書館設置の運動の高まりを受け、1992年に「図書子どもたちは「自分たちの図書館」として瀬戸内市民図館建設準備室」を設置。市民とともに図書館について書館を利用しているのだ。学ぶ「図書館づくり伊万里塾」を開いて、自分たちの町図書館が「市民」をその名に冠するには相応の理由にとっての理想の図書館像を作り上げていった。や目的がある。誕生したばかりの瀬戸内市民図書館も、こうした経緯から、伊万里市民図書館が「伊万里をつ愛称である「もみわ広場」に「もちより、みつけ、わけあくり市民とともにそだつ市民の図書館」を標榜し、毎う」という場であってほしいという願いが込められてい年約500人の市民がボランティアとして活動。現在もなる。3つの町が合併し、1つの市へと再編される中、瀬戸お、市民に愛されている。Civil Engineering Consultant VOL.275 April 2017011