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写真1東京本館(千代田区永田町)国会図書館は閉架式の図書館ですが、これは資料を何百年も大切に保存し利用に供するために必要なことで、東京本館では収容能力1,200万冊の膨大な書庫を持っています。1960年代に竣工した書庫が地上の書庫であるのに対して、1986年に竣工した新館の書庫は地下8階までの地下書庫となっています。地下の書庫は固い地盤に接しており、重い書庫全体を支えています(図1)。2011年3月11日に起こった東日本大震災の時には地上書庫の12~17層の書棚から約180万冊の本が落下しましたが、下の層や地下の書庫は安全でした。地下を深く掘っているので書物の敵である水の被害に遭わないよう、また湿気防止のために特別な工夫をした建物になっています。万一火災が発生した時のことを考えてガスの消化設備が設置されており、書庫内は常時22℃、湿度55%に保たれています。いはんな学研都市」が選ばれた経緯があります。関西館は東京本館での使用頻度の少ない図書資料を中心としており、アジア諸国の資料の収集とサービスも行っています。そのほかに外国雑誌、科学技術関係資料、国内の博士論文などを収集しています。収蔵庫の一部は自動書庫になっており、図書などは数冊単位でコンテナーに入れられて自動的に出し入れされ、そこから必要な資料が取り出され利用に供されます。これらの操作はすべてコンピューターで行われています。関西館は電子図書館機能も担当しています。国会図関西館東京本館の書庫スペースがいっぱいとなり、書庫を拡張するスペースがないことから、2002年に600万冊を収容できる関西館が作られました(写真2)。これは資料を分散して保存することが万一の災害のために重要であることもあって、地震に比較的強い地盤である「け図1 東京本館断面図。本館は各階が3層の書庫。新館の地下書庫は8階で30mCivil Engineering Consultant VOL.275 April 2017015