ブックタイトルConsultant275
- ページ
- 36/82
このページは Consultant275 の電子ブックに掲載されている36ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Consultant275 の電子ブックに掲載されている36ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Consultant275
なお、既設マウンド及び下部捨石への杭の打設については、ロックバイブロ工法(高圧ジェットを併用し、先端を補強した杭をロックバイブロの振動により打設する工法)を採用した。●取付区間(ハイブリッドケーソン)取付区間は既設防波堤の基礎捨石マウンドが厚く、杭打設は先に示したロックバイブロ工法でも施工が困難であった。そのため既設同様の重力式としたが、比較検討の結果、従来のRCケーソンではなくハイブリッドケーソンを採用した。当工法では鋼材の高強度・軽量の特長を活かし、フーチングを大きく張り出して地盤反力を小さくでき、基礎捨石7.50+4.30マウンド幅の縮小が可能で経済的となる(図7)。■技術的成果●標準部(ジャケット式)構造諸元は2次元造波水路(長さ20m、幅0.5m、水深約0.4m)を用いて、波高の伝達率、反射率及び波力特性に関して水理模型実験を行い決定した(写真1、2)。防波堤の天端高と直立版下端高は、30年確率の風波及びうねりに対して、港内の静穏度を満足させるため、風波による伝達率0.1を超過しないように天端高をD.L.+6.0m、直立版下端高を海底面から0.5mの位置に決定した。また、傾斜版の角ハイブリッドケーソン度は防波堤前面で漁船が航行可能な波高(0.9m)以下とするため、1年確率の風波(H1/3=0.7m、T1/3=3.8sec)に対して反射率が0.5以下となる30°とした。構造物の安定性照査は、水理模型実験により防波堤にかかる波力を求め、構造の安定性及び各部材の照査を実施して構造細目を決定した。●取付区間(ハイブリッドケーソン)ケーソン下面は既設防波堤の延伸部であるため、既設防波堤敷高と同等のD.L.-19.0mとした。ケーソンの幅は30年確率の風波とうねりに対して安定性を確保でき、基礎捨石マウンドが最小限となる本体幅7.5m、底面幅19mとした。また、ジャケット部と同様に反射波の低減が必要であるためケーソンに縦スリットを設け、1年確率の風波に対して反射率が0.5以下となる内幅2.7mに設定した。-19.00図7ハイブリッドケーソン標準断面図19.00捨石■おわりに平成27年3月に当該防波堤が無事に完成した。その結果、漁港内の静穏度が確保され、防波堤背後に位置する岸壁を利用する定期船の運航も良好な状態になった。防波堤写真1 2次元造波水路(ジャケット式)写真2実験概況(ジャケット式)034Civil Engineering Consultant VOL.275 April 2017