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地域での自転車観光振興に向けた取り組みは、サイクリング推奨ルートを示すための路面標示(ブルーライン)、サイクリストの受入施設の整備、イベントを通じたプロモーション活動、鉄道や宅配と連携したサイクリスト向けのサービス、15箇所のターミナルにおいて乗り捨てが可能なレンタサイクルサービス等が展開されている。レンタサイクル利用者だけでも年間10万人を超えている(図2)。■サイクルシティ構想の概要今回作成した「いまばりサイクルシティ構想」は、観光客の受け入れに向けたインフラ整備、人材育成や商品開発による仕掛けづくり、住民と連携した受け入れ環境の整備、情報発信に関する4つの構想から構成されている(図3)。また、それぞれの具体的な取り組み案やその成果を評価するための重要業績評価指標(Key Performance Indicators)を設定している。マーケティングによる観点からは、自転車観光振興のターゲットをサイクリストとサイクリスト以外に分類し、サイクリストに関しては国内と海外、レンタサイクルとマイ自転車、サイクリスト主要な観光資源として着目すべき層国内在住サイクルステーション構想受入拠点とネットワークの整備→交通インフラの整備サイクルツーリズム推進構想人材育成や商品開発による仕掛けづくり→次世代の産業創出図3サイクルシティ構想を構成する4つの構想団体と個人に細分化した(図4)。それぞれのターゲットに対して、需要特性と需要拡大の可能性の分析に向けた調査を行った(表1)。■GPS調査の概要しまなみ海道地域で展開しているレンタルの自転車30台に対して1レンタサイクル利用者2マイ自転車利用者おもてなし構想サイクリストと住民にとって心地よい環境整備→地域コミュニティの再生は、GPS機器を設置(サドルバッグ内)して実態調査を行った(写真1)。2015年8~9月の約40日間の調査期間で、362のサンプルを得た。一方、マイ自転車の利用者に対しては、GPS機器を配付して後日郵送による回収を行った。30個のGPS機器を用いて、2015年8月中旬~9月中旬の1か月間で機器1個につき2~3回の調査があり、77のサンプルを得た。しまなみプロモーション構想「サイクリストの聖地」の価値を高める情報発信→ふるさとの価値の確認表1ターゲット別の調査方法ターゲット需要特性調査需要拡大の可能性調査1レンタサイクル利用者2マイ自転車利用者GPS調査→利用者属性別の行動実態を把握GPS調査→利用者属性別の行動実態を把握アンケート調査→GPS調査とあわせて、行動実態を深堀WEB調査→関東、中部、近畿、九州の住民を対象に、しまなみエリアへの来訪意向を調査3 団体ツアーの外国人ヒアリング調査旅行者→旅行業者等から現況と課題について情報収集4個人手配の外国人旅行者WEB調査→外国人を対象に、しまなみエリアへの来訪意向を調査ヒアリング調査→旅行業者等から現況と課題について情報収集5自転車以外でサイクリスト拠点を訪れる方WEB調査→サイクリストの受け入れ拠点への来訪実態について調査6日常的に自転車を利用する市民WEB調査→普段の自転車利用状況、より自転車を利用するためのきっかけについて調査海外在住3団体旅行者4個人手配旅行者サイクリスト以外オフピーク対策やサイクリング文化の創出に向けて必要な層5自転車以外で(サイクリスト)拠点を訪れる方6日常的に自転車を利用する方例:サイクリストの家族、友人(付き添いで来訪)例:食事等、自転車以外の目的で来訪する方例:通勤、通学等での自転車利用者図4自転車観光振興のターゲット写真1レンタサイクル調査に用いたG PS機器と自転車Civil Engineering Consultant VOL.275 April 2017037