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特集進化する図書館読みたい本を探す小学校5年生の時のグループ学習のテーマが「宿場町」となり、鶴舞図書館(名古屋市)で手分けして調べることになりました。調べものは10分くらいで終えてしまったので、図書館の中を探検しました。「たくさんの本があるな」と思いながら歩き、子ども本のコーナーで1冊の本を手に取りました。何の本か覚えていませんが、期待感で手が震えていたことは覚えています。それから僕の図書館通いが始まりました。それには少しよこしまな心もありました。家業は砂糖問屋で、家にいると手伝わされます。図書館に行くのは土曜日の午後だけでしたが、「図書館に行く」と言うと、親は反対しにくいですからね。始めはジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』や江戸川乱歩の『少年探偵団』などを読んでいたと思います。ちょっと後で読んだジェームズ・クック船長の本は面白かったです。当時、海図になかったニュージーランドのクック海峡は、そこが大きな川なのか、海峡なのか分かりませんでした。適当な距離毎に水を汲み上げ、塩分濃度が薄くなっていけば川ですが、クック海峡は変わらなかったので「ここは抜けられる」となった訳です。中学校2年生くらいには図書委員になりました。図書委員は学校で買った本を最初に読むことができます。また本の修繕もしなければならなかったので、その技術も覚えました。高校生になると小説などではなく、もう少しレベルの高い本が読みたくなって、古本屋巡りに変わりました。専門書ではないが、専門書がかっている入門書的な本に興味がありました。古本屋にあった戦前の本は、日本では科学の導入時期になり解説的な要素が多く、とても面白く読めました。ばら売りしていない全33巻の「数学全集」は、4カ月ぐらい小遣いを貯めてようやく買いました。今だったら、前金を払えば取り置いてもらえますが、当時はそういう知恵がなかったので、毎週売れてないことを確認していました。大学に入ってからは新本を定期的に購読しました。京都大学に勤めていた頃は、部屋が少なかったので研究室に004Civil Engineering Consultant VOL.275 April 2017