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写真4完成入居済地区(上高平地区)写真3完成入居済地区(北海老地区)写真5集会所、広場整備(小川町地区)個別相談会・契約)6移転住民への進捗状況の周知(住宅再建ニュース)■事業進捗状況平成29年3月現在、住宅団地全21のすべての造成工事が完了し、宅地分譲は全304区画すべてが契約となっている。その内、293戸(96.4%)が完成入居または建築中である(全区画入居済は11団地)。特筆すべきは「空き区画」が全く無く、被災移転者に対し非常に安価で満足度の高い区画提供ができたことである。移転促進区域の買取り状況は、原発から20km圏外の鹿島区や原町区において筆数(土地を指す単位)95%で面積96%、買取が遅れてスタートした20km圏内の小高区や原町区の一部において筆数90%で面積89%、が契約調印済みとなっている。が実現できなかったこと2インフレスライド、人材や資材不足等の不測の事態により、工期の遅れが生じたこと3地域固有の防風屋敷林(いぐね)の再生、在来工法による住宅建築ができず、地域性の反映が十分にできなかったこと4用途地域外への移転住宅団地建設によるコンパクトシティの実現への貢献検証ができなかったこと■今後の課題1住宅団地の高齢化問題移転住民の高齢化に伴う生活環境の変化への対応、公共施設の維持管理の問題への対処2移転元地の利活用の問題基盤整備のない地区での虫食い状況に点在する移転元地の維持管理の問題■おわりに平成28年7月12日に小高区の「避難指示解除」がなされ、JR常磐線の原ノ町駅~小高駅の運転が再開された。これにより、原発事故後分断されていた鹿島区・原町区・小高区の3つの市街地が公共交通で繋がり、南相馬市全体としての本格的な復興がスタートした。小高区中心市街地においても、帰還住民のための拠点開発や市街地整備など生活環境整備事業が急ピッチで進められている。今後は安心して居住や生活することを可能とする社会環境づくり、生活環境づくりのためのソフト施策の展開が急務である。■事業を振り返って事業が終焉を迎えつつある中で、冷静に事業を振り返ってみると、以下の点が気になっている。1避難解除及び生活環境整備の遅れ等で小高区での防災移転団地写真6再開した小高駅Civil Engineering Consultant VOL.276 July 2017035