ブックタイトルConsultant276
- ページ
- 39/60
このページは Consultant276 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Consultant276 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Consultant276
表1ヤンゴン環状鉄道の諸元項目諸元路線長約46.0km軌道数複線軌間1,000mm電化/非電化の別非電化設計軸重12.5t駅数38駅トの事業化準備調査を行い、2015年10月に両国間で本事業に対する円借款供与合意が締結された。2016年2月は、基本設計と入札準備が進み、来るべき業者入札に備えている段階である。なお、YUTRAは2016年からアップデートが行われており、ヤンゴンの都市鉄道整備計画も更新される予定である。写真1乗降に不便な駅と車両写真2居住性の低い車両■ヤンゴン環状鉄道の現状ヤンゴン環状鉄道は、ミャンマー国鉄(MR)の一部として運営されている路線であり、ヤンゴン中心地を囲むように走る1周約46kmの南北に長い非電化複線鉄道である(表1)。ヤンゴンの公共交通の背骨となりうる位置を走っているうえ、政策的に運賃を低く抑えていることから、比較的所得の低い通勤者等を中心に、約8万トリップ/日の足を担っている。また、ピーク時の運行頻度はヤンゴン中央駅付近では約15分間隔と、比較的運行密度の高いサービスを提供している。しかしながら、1不正確で低速な列車運行、2不便な駅へのアクセスと接続、3快適性の低い老朽化した車両や駅施設等(写真1~3)により、ヤンゴン都市圏のトリップ全体の1~2%しか受け持っていない。現在の鉄道サービス水準は低く、鉄道利用の割合は小さいが、今後、ヤンゴン環状鉄道を中心とする通勤鉄道網はヤンゴン都市圏公共交通の大動脈となることが期待されている。写真3老朽化した軌道インフラ■ヤンゴン環状鉄道の将来需要■と整備方針ヤンゴン都市圏の移動需要は、2013年に490万トリップ(徒歩を含まない)とされているが、YUTRAでは2035年には950万トリップと約2倍になると推計されている。仮にヤンゴン都市圏の鉄道サービスレベルが現状のままであるなら、相当深Legend:TOT_PAX=12500 12,500人を示す幅(片方面の大きい方)TOT_PAX=25000 25,000人を示す幅(〃)刻な交通渋滞が予見され、それによる環境・社会・経済的な損失も相当なものになると予想されるため、鉄道整備は喫緊の課題である。ヤンゴン環状鉄道についても果たす役割は大きくなり、2035年には1日当たり70万人程度の旅客を輸送することが期待されている(図2)。このような背景から、都市圏鉄道2025年(電気式気動車・運転間隔10分)2 0 3 5年(電車・運転間隔5分)図2ヤンゴン環状鉄道および近郊線の将来需要Civil Engineering Consultant VOL.276 July 2017037