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Consultant276
3 道路交通の遮断時間を減らすことのできる自動踏切の導入現在は踏切番が駅からの指示を受けて手動で開閉している踏切を自動化することにより、踏切遮断時間が短縮され、踏切遮断のたびに発生している道路渋滞が軽減される。4 乗降が容易なプラットホームへの改良列車の床面とほぼ同じ高さのプラットホームに嵩上げすることにより、乗客(特にお年寄りや子供、体の不自由な方等)の乗降にかかる負担を軽減され、利便性が大幅に向上する。また、駅付帯施設(トイレやベンチ等)の整備も進められる予定である。5 地域分断を避ける歩行者跨線橋の設置現在、沿線住民は線路を横切って行き来しているが、安全フェンスの設置によりそれは禁止される。その代替として歩行者跨線橋を設置し、沿線住民の安全を担保したうえで地域分断を避けるように配慮している。■プロジェクトを実施する上で■留意すべき課題既存線改修プロジェクトはこれから業者入札を経て建設段階に入る。その際の課題として以下を想定している。プロジェクト推進に際しては、これら課題に留意しつつ行う必要がある。1ミャンマー側の自己資金で行う工事と円借款で行う工事に不整合がでないよう一体化すること。また、ミャンマー側の自己資金で行う工事内容が所定の機能を有する改修となるように働きかけること。2ミャンマー国鉄には予防保全という考え方が乏しく、壊れたら補表3プロジェクトの内容詳細Yangon Circular Railway・Line 新Upgrading信号システムのProject導入設置(25カ所の道路交差部の自動踏Attachment切1-1円借款でProject整備するLocation内容Map化含む)・電気式気動車(DEMU)の調達:66両(11編成×6両)ミャンマー側の自己資金で整備する内容(抜粋)Hlawga R.S.Da Nyin Gone R.S.(20K+245)Signalling Works : app. 44.0km(only for YCR line.)図4プロジェクト位置図修する傾向にある。しかし、鉄道は事故を未然に防ぐメンテナン< Remarks >スが求められるシステムであり、R.S.: Railway Stationそれが結局はライフサイクルコストを下げることにもつながる。従って、今回円借款で導入する信号や車両を長持ちさせるためにも予防保全の考え方を浸透させること。3都市鉄道として機能させるためには、車両やインフラ等のハード面のみの改良だけでは不十分である。列車ダイヤの改正やフィーダーサービス(支線輸送)の充実等の利便性や、毎日利用する通勤客の視点に立った旅客サービスの観点にも留意し、それらを総合的に実現するための運営改善や組織改編を同時に行うこと。・土木構造物の改修(主に排水設備改良)・軌道や路盤改良・駅プラットホームの高床化(現在は乗降しにくい低床ホーム)・安全フェンス(線路内侵入防止フェンス)の設置Yangon-Pyay LineInsein R.S.(14K+450)Kyee Myint Daing R.S.(5K+475)Computer Univ. R.S.Target Operation SectionMingalardone R.S.(26K+910)Dagon Univ. R.S.Pa Ywet SateGone R.S.(30K+835)Toe Kyaung Galay R.S.Ma Hlwa Gone R.S.(3K+625)JICA Grant section*: app.2.0kmYangon Central R.S.(0K+000)Expected New Workshop Land■おわりにThilawa. R.S.ミャンマーは長らくアメリカはじめ西側諸国の制裁下にあったこともあり、他国ではみられないような苦労も多い。しかし、自国の鉄道を何とか良くしていこうと日夜意欲的に努力するミャンマーの鉄道関係者や、何とかその想いに応えていこうとする我が国技術者をはじめとする関係者の熱い気持ちにより、既存線改修プロジェクトはようやく実施段階を迎えようとしている。これからも、黎明を迎えたこの国の基幹インフラを整備できる喜びを胸に、1番列車に試乗する日を心待ちにして、引き続き微力ながら貢献していく所存である。<図提供>図1 YUTRA(2013)をベースに著者作成図2ヤンゴン環状鉄道改修事業準備調査Yangon-Mandalay LineOhk Pho Su R.S.Thilawa Line.Ywa Tar Gyi R.S.Dabein R.S.Eastern Univ. R.S.*:JICA Grant Section means the section covered by“the Project for Installation of Operation Control Center System and Safety Equipment”Civil Engineering Consultant VOL.276 July 2017039