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カープファンは広島生まれにとっての宿命です。広島で子どもが生まれたら、お医者さんは「元気なカープファンが生まれましたよ」って言います。その後に「男の子でした」「女の子でした」という勢いです。逆に、広島で生まれてもカープファンでなかったら「人生で何かあったか」って聞かれます。カープは復興の証です。子どもの頃、親父やお爺ちゃんに球場に連れて行ってもらうと、その話から始まります。スポーツや娯楽、文化などの復興の中で、一つの柱がカープだった。カープファンは同志でもあり、焼け野原から一緒にまちを建て直した仲間意識がある。カープがファンとの絆が強いのは、それが今もどこかに残っているからだと思います。原爆ドームと厳島神社の二つの世界遺産があることもあって、近年、広島を訪れてくれる方が増えました。それは、まちが外向きになって来たことではないでしょうか。親父の世代はまだまだ外に目を向けるのは難しかったと思います。僕が小学校低学年くらいまでは、バラックの建物がいっぱいありましたからね。外に向けて気持ちを出せるようになったのは、ある意味、心も復興して来たのだと思います。建物は1945年に一度無くなっているまちです。当時は高層マンションやビルはほとんど無く、それが建つことは想像できませんでした。他のまちでは高い建物がいっぱい建ったら昔の面影が無くなってしまいますが、広島は一回焼け野原になっているので、変わっても広島なのです。「7 0年は草も生えない」と言われていましたが、既に7 0余年経ち「人は頑張ると、こんなことまでできるんだ」って思わせてくれます。これは僕にとって、広島の魅力の一つです。だから、漢字や平仮名や片仮名で書いても全部が広島です。特集広島希望のまち広島004Civil Engineering Consultant VOL.276 July 2017