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特集広島?ヒロシマから広島、そしてHIROSHIMAへ?1ヒロシマ復興へのまちづくり石丸紀興ISHIMARU Norioki株式会社広島諸事・地域再生研究所代表元広島大学教授(都市形成・計画史)都市インフラが徹底的に焼失・破壊された広島のまちの再生には、想像を絶するパワーが必要であった。広島が復興を遂げるうえでの重要な背景について多面的に紹介するとともに、平和都市広島が今後担っていく役割について考える。ヒロシマ復興の考察広島の復興過程に関連しては、既に様々な形で記述されていて、今更焼き直しのような報告は必要ないであろうが、2016年6月におけるオバマ大統領の広島訪問や、最近における広島をめぐる新たな出版や核問題における世界情勢の変化などがあり、現段階におけるヒロシマ復興の考察は、それなりの意味を提起するものとしなければならない。近時、震災等の大災害や中東での紛争地域からの復興において、広島がモデルとなり、その存在が励ましとなるといって注目されるが、それほど単純なことではない。これは、UNITAR(国連訓練調査研究所)写真1被爆後の広島市中心部(1945年10月)やJICA(独立行政法人国際協力機構)、ODA(政府開マが注目されるが、上滑りすることなく、ヒロシマ復興を発援助)などの研修活動での反応から、可能な限り表層まちづくりとして総括し、より役割を進化させる方向をから切り込んでいかねば、新たな側面は見えてこないで模索したい。あろう。応急復旧の手際よさは何を意味するか被爆から復興への過程とその意味の展開被爆後、死者の弔いと傷者の救援が焦眉の急として1945年8月6日、広島が被爆し、直接的被爆による死取り組まれた。そのためにも被災地の通行帯や通行路者とその後の死者、さらに原爆症や後障害といった著の確保がなされ、生活の復旧のため、少しでも交通手しい人的被害を蒙ったことは、様々な形で語られ記述さ段やライフラインの復活など応急復旧が必要とされ、ガれている。被爆は同時に物的な側面においても著しいレキ処理や橋梁の欄干修復などが進められた。水道にダメージを及ぼし、いわば都市の被爆として語られ、記ついては、8月6日の被爆当日午後、職員の何人かの死述されてきた。そして、被爆からの復興という形でその傷者が出ているにも拘わらず、浄水場の電源を回復さ後の広島について語られる。オバマ効果によってヒロシせ、夕方には給水を開始した。電気は、中国配電の社員006Civil Engineering Consultant VOL.276 July 2017