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写真9スタジアム(食の魅力)写真10夜のスタジアムめる仕組みを構築しました。また都心部全体のにぎわいの創出を図るため、例えばおもてなしプロジェクトとして、スタジアムへの誘導や導線上の各所でイベントを開催しました。小倉駅では、ウェルカムボード・フォトスポットの設置やカフェやストリートライブの開催。西日本展示場では、地元のパンやアクセサリーブースの設置。浅野町緑地では、ご当地グルメを開催。スタジアム内では、地元水産物のPRブースを設置。また、スタンプラリーポイントを各所で付与し、地元商店街で利用できるクーポン券を配布しました(写真6~9)。夢と感動の提供既存のスポーツ施設は、教育的側面である「する」場の体育施設として整備されてきたため、観客席等の「みる」ための設備が十分ではありません。観客の快適性・利便性やプロスポーツチームの試合や活動よりも、一般市民の利用など公共性の確保に重きがおかれる傾向があります。しかしながら『スタジアム・アリーナ改革指針』(平成28年11月スポーツ庁)では、「スタジアムは、一般的な地域住民の利用に供されるスポーツ施設と同じ手法・ルールで整備・管理される必要はなく、集客施設として、人々の地域内交流に加えて、スポーツツーリズム等による地域間交流を促すことにより、まちのにぎわいを創出する。身近なスポーツチームの存在やチームと行政との連携により、地域住民のスポーツ機会が増加し、青少年の健全育成や多世代にわたる健康増進が促進される。スポーツチームが収益を還元して社会貢献活動を積極的に行ったり、スポーツ選手が地域に対する高い訴求力を活かしてパブリックメッセージを発信したりすることを通じ、社会問題の啓発、被災地復興などの様々な社会課題を効果的に解決に導くことができる。スタジアムに頻繁に足を運び、スポーツチームを応援し、その勝ち負けに一喜一憂することは、地域住民のアイデンティティの形成、地元への愛着の醸成につながる。スタジアムの周辺の環境価値を高め、地価下落の抑制や新規開発の誘発等、地域の不動産価値を維持向上させる」と示されています。ミクニワールドスタジアム北九州についても、都心部に人が集い、にぎわいあふれる北九州市の創出を目指し、Jリーグやラグビートップリーグなどの試合、学生のサッカー・ラグビー大会、グラウンドゴルフ大会、子どもたちへの芝生開放などに加え、まちににぎわいを生み出すイベントを開催することで、市民に夢と感動を提供することを目標にしています。このような高規格で大規模な施設は、本市のシンボルとして、市民の一体感の醸成や都市ブランド向上等、様々な効果を生み出す地域活性化の核となるインフラと考えています。よって、行政は、「みる」スポーツの価値や魅力を高めることが最終的には地域に利益をもたらすことを、スポーツチームは、公共施設を利用していることで市民の多様な意見があることを認識し、自らの活動が社会課題の解決に向けて公共的な役割をいかに果たしていくか、公共的な効果をいかに地域にもたらせるかについて考えるべきです。そして、市民に愛されるスタジアムとなるためには、以上のことを行政やスポーツチームをはじめ、市民がきちんと理解することが大切なことであり、スポーツやイベントが行われている時だけでなく、普段から施設に人が集うような公共の広場になる必要があるのではないかと思います。Civil Engineering Consultant VOL.277 October 2017013