ブックタイトルConsultant277

ページ
20/60

このページは Consultant277 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant277

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant277

特集スポーツ?スポーツで「つながる」?4世界に羽ばたくスポーツ雪合戦?小さな町が作り上げた世界のスポーツ?阿野裕司ANO Yuji昭和新山国際雪合戦実行委員会/委員長冬期の地域活性化を目指す北海道の小さな町が、雪の楽しさを見直すことで誕生したスポーツ雪合戦。さまざまな人の協力の中で新しいスポーツ“Yukigassen”として世界中に広がっている。「雪合戦では世界の中心である」を合言葉に未来の夢に向けた壮瞥町民たちの交流と奮闘ぶりを紹介する。スポーツ雪合戦とは雪合戦。それは古来、雪国の子どもたちの遊び。その雪合戦が北の大地で冬のニュースポーツとなった。毎年2月、全国の地区予選を勝ち抜いた精鋭約140チームが「スポーツ雪合戦」発祥の地、大地の息吹のような噴煙そうべつたなびく壮瞥町昭和新山のふもとに集い、白銀の世界で熱き闘いを繰り広げる。スポーツ雪合戦とは1チーム7名(他に監督と補欠選手2名)で、36×10mのコートに2チームが相対する。ノーバウンドの雪球に当たった選手は「アウト」。試合は3分3セットマッチで、時間内に敵陣内のフラッグを抜くか、雪球を相手チーム全員に当てた時点で勝ち。時間切れの場合は終了時に残っている選手が多い方が勝ちとなる。1セットに使える雪球は90個に限定され、敵の雪球から身を守る「シェルター」に身を潜めながらの攻防は、体力・知力・チームの総合力が勝敗のカギとなる。奇襲攻撃で敵陣のフラッグを奪うもよし、雪球で敵を倒し判定に持ち込むのもよし。強い精神力と瞬時の状況判断力、そして巧みな戦術が求められるスポーツ雪合戦、筋書きのない戦いに会場は大いに盛り上がる。スポーツ雪合戦の誕生壮瞥町は北海道の南西部にある人口2,600人あまりの小さな町で、昭和新山、洞爺湖、有珠山を抱える北海道内屈指の観光地である。雪合戦が始まる前は、観光客の多くが春から秋に集中していたため、冬は人影もまばらで、特に厳冬期の観光客は皆無に等しい状況であった。このことが地域経済を停滞化させ、安定した雇用の確保を難しくしていた。「何とか冬も観光客に来てもらい、地域経済を活性化させることによって通年雇用を確保できないか」ということが壮瞥町の悲願であり、大きな課題であった。写真1迫力のあるセンターシェルターの攻防写真2有珠山から洞爺湖、羊蹄山を望む018Civil Engineering Consultant VOL.277 October 2017