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第1回富士北麓の郷土料理山梨県の郷土料理といえば、「ほうとう」を思い浮かべる人も多いだろう。幅広の麺をかぼちゃなどの野菜と一緒に味噌で煮込む、山梨を代表する郷土料理である。しかし山梨県にはほうとう以外にも、麺を用いた郷土料理がある。富士山の北麓に位置する富士吉田市周辺で食べられている「吉田のうどん」もその一つである。吉田のうどんはコシのある麺が特徴で、つゆは醤油ベース、味噌ベース、醤油と味噌のブレンドなど店によって異なる。付け合せ具材はキャベツが定番で、肉、ネギ、ニンジン、油揚げなどがある。肉は馬肉を用いていることが多い。そこにゴマ、山椒、唐辛子などから作られる薬味「すりだね」を入れて食べる。すりだねは店ごとに工夫を凝らしており、味や風味もさまざまなので、いろいろと試してほしい。富士吉田の風土と食文化富士吉田市は標高約650~900mで、南に富士山、北西に御坂山地、東に道志山地と山に囲まれた北向きに傾斜する細長い高原都市である。富士山から吹き下ろす風は冷たく、年間平均気温は約11℃という寒冷な気候の土地である。それに加え、富士山噴火に伴う溶岩流や火山灰からなる土壌は非常に痩せており、稲作には向いていない。そのため昔から畑作が中心で、大麦、あわひえ小麦、粟、稗、とうもろこしなどの雑穀類が栽培されていた。それらを粉にして水でこね、野菜と一緒に煮込む「すいとん」が主食であった。このように粉食中心の食文化が根付いており、うどん文化の基盤となっていると考えられる。「食から見る地域」は、郷土色ゆたかな日本各地の「食」について、その文化的・自然的背景を知ることで、より深く味わっていただくコーナーです。030Civil Engineering Consultant VOL.277 October 2017