ブックタイトルConsultant277

ページ
38/60

このページは Consultant277 の電子ブックに掲載されている38ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant277

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant277

Project 2 briefプロジェクト紹介技術移転を導入したミャンマーにおける無償資金協力による橋梁プロジェクト吉田剛YOSHIDA Takeshi日本工営株式会社コンサルタント海外事業本部交通・都市事業部/道路橋梁部次長■プロジェクトの背景■はじめに戦後賠償第1号として外交史に名を036Civil Engineering Consultant VOL.277 October 2017「ミャンマー」といえば2015年11月、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の総選挙圧勝がテレビや新聞を騒がせたのが記憶に新しい。2011年夏以来、急激なスピードで民主化や改革を進めているミャンマーに、アジア最後のフロンティアを求めた外国企業が進出を始めたのもその頃からでした。一方で、ミャンマーに対する我が国の経済協力の歴史は意外に古く、写真1ヤンゴン旧市街刻んだバルーチャン水力発電事業が開始されたのが1954年のことです。それから60年以上経過しましたが、我が国がミャンマーの発展に貢献する様々な支援を行っていることに変わりはありません。今後ますますの経済発展を遂げるため、特に交通インフラ整備が望まれている今日の状況に鑑みて、本稿では我が国の無償資金協力として進められている「新タケタ橋プロジェクト」を紹介します。エーヤワディー川三角州の東側に位置するヤンゴンは、管区全体で人口740万人を擁するミャンマー最大の都市です。ヤンゴン市中心部の旧市街の街並やヤンゴン港には、半世紀前に東南アジアで最も繁栄した国の一つといわれたビルマの旧首都ラングーンの面影が今でも残っています(写真1)。ミャンマーの経済は2011年の民政移管や外資開放後、急速に活性化し、輸入車の優遇税制なども伴って自動車保有台数が大幅に増加しました。その結果、ヤンゴン市内では多くの交通渋滞がみられるようになり、特に朝夕のラッシュ時や降雨などによる交通麻痺が常態化しています。また、ヤンゴンは河川によって地域が分断されているため、橋梁で道路網を連絡させる都市交通上の特徴をもっています。この内、特に交通量の多い橋梁の一つが、パズンダウン川を渡ってヤンゴン市中心部とタケタ地区を結ぶタケタ橋です。このタケタ橋の現況交通量は、2車線道路の交通容量を大きく超過し、渋滞が慢性化しています。また、供用開始から50年以上経過しているため、老朽化による車両の重量制