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写真5ホエールスイミング写真6手付かずの浜辺ラが出産と子育てのための温暖な海を求めて、トンガ周辺に現れる。そのため、ホエールウォッチングを楽しむことができる。クジラと一緒に泳ぐホエールスイミングもできるため、数少ない魅力的なダイビングスポットとして海外からもダイバーたちが集う。トンガタプ島では人の手が入っていない浜辺がまだまだ残っている。島の周りにある林を抜ければ自然の浜があり、休日には地元民が海辺での団欒や海水浴を楽しむ。産業主要産業は、やし油やカボチャを生産する農業と漁業である。主な輸出品目はカボチャ、魚類、バニラ等であり、主な輸入品目は食料、飲料、家畜、機械や機器、燃料、石油製品である。トンガでは元来カボチャを食べる習慣がなかった。しかし、気候がカボチャ栽培に適しているうえ、冬至など日本で需要の多い12月に収穫シーズンとなるため、1990年代に日本の商社が持ち込んだ。現在、カボチャはトンガ経済の柱となっており、対日貿易黒字のほとんどをカボチャ輸出が占めている。一方でカボチャ栽培が成功し過ぎたため、モノカルチャー経済化が懸念されている。トンガ政府は新しい輸出商品作物の開発に熱心で、カボチャに次ぐ産品の開発に向けた市場調査や相手国への輸出手続きに関する調査を積極的に行っており、品質管理にも力を入れている。土地トンガの土地制度の最大の特徴は、土地法の冒頭で「王国のすべての土地は国王の所有である」と宣言されていることである。土地・環境・気候変動・自然資源省の大臣が国王の代理人として、王国の土地管理を行っている。二通りの土地所有の形態があり、一つは国王の直轄地で、この中には王室の領地と王族の領地に加え、道路や墓地などの公共用地も含まれる。もう一つはTofiaと呼ばれる地所であり、土地法に記載された貴族に対して世襲の権利とともに与えられた土地である。土地法では土地の売買が認められていないため、一般の国民は99年間以内という条件のもと、王室や王族、あるいは貴族から借地する。マイクログリッドシステム導入計画の太陽光発電設備の用地も、土地・環境・気候変動・自然資源省大臣でもある貴族のマアフ卿から、約3.2haの土地を50年の期間で借用している。土地登記のためのリース契約書は、内閣の審議にかけられ、大臣承認が下りて登記簿に記載された。治安トンガの治安は落ち着いている。暗くなるまで外で遊び、夕食を親戚の家で食べてから家に帰ることも珍しくないという。しかし、近年若者の生活スタイルが変化し、親戚との関わりも少なくなり、軽犯罪が増加しているそうだ。トンガの文化を引合いに出し「トンガでは日曜日のフライトはなく、島から逃げ出すことはできないので、刑務所も日曜日はお休みする」という冗談も聞かれる。ラグビーかつて海を渡ってこの地にやって来たといわれる人々の体は逞しい。その体を存分に活かし、夕方にはラグビーに没頭する人々が島のいたるところで見つけられる。ラグビーはトンガの国技であり、大人から子ども046Civil Engineering Consultant VOL.277 October 2017