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した(図7、8、写真1)。■全橋模型風洞試験(三次元風■洞試験)対象断面が鋼箱変断面桁であることから耐風安定性の精度向上を図るため、1/80の全橋模型試験を行った(写真2)。写真2全橋模型ソン基礎、場所打ち杭の形式による比較検討を実施し、最も安価で施工性に優れる鋼管矢板井筒基礎を採用した。■耐風性能沖端川大橋は、中央支間170mの鋼床版箱桁断面を有する全幅員10.5mの3径間連続橋である。幅員が狭く、支間が長い鋼箱桁橋で風による振動が発生するおそれがある。『道路橋耐風設計便覧』に基づうずれいく照査を行った結果、たわみ渦励しん振と発散振動のギャロッピングが発生すると判断されたため、詳細な動的耐風設計が必要となった。■ばね吊り風洞試験(二次元風■洞試験)風による振動特性を把握するため、1/50の中央径間部の剛体模型を用いたばね吊り試験(写真1)を行い、基本断面での耐風性能を照査した。その結果、耐風対策無しでは、照査風速以下で鉛直たわみ渦励振、ギャロッピングが発現し、耐風安定性を確保できなかった(図6)。そこで、耐風安定のために、渦励振対策については最も有効的であった張出し長1.0mのシングルフラップを防護柵上に配置し、ギャロッピング対策については、張出し長0.8mの水平プレートを主桁側面に設置■実験結果および考察二次元風洞試験により選定した耐風対策を用いれば、三次元風洞実験で有害な渦励振やギャロッピングは生じなかった(図9)。本橋での渦励振の励振力は比較的大きいため、フラップは側径間を含めて設置し、構造破壊へと結びつくギャロッピング対策である水平プレートも、橋脚の近傍を除いて全橋に設置した。主径間が170mと非常に長い本橋は、こうした耐風対策が欠かせないことが本風洞試験によって実証された。橋は平成29年3月に完成した。沖端川で分断されていた両開地区と昭代地区が結ばれ、農漁業の活性化ならびに地域住民への利便性が向上されたと考える。Nondim. Doble Amplitude(2A/D)Wind Speed(m/s)0 20 40 60 800.15AT1p3迎角=+3°風向:歩道側0.10.0500.40.2-0.05-0.2Ud=46.4m/s-0.1-10 0 10 20 30 40 50 60Reduced Wind Speed(Vr=V/fD)0Ampulitude(m)最大変位(L/4右側)最大変位(L/2)最大変位(L/4左側)RMS値(L/4右側)RMS値(L/2)RMS値(L/4左側)最小変位(L/4右側)最小変位(L/2)最小変位(L/4左側)図9三次元応答図写真3沖端川大橋完成状況と架橋付近の夕日に映える蜘蛛手網Civil Engineering Consultant VOL.278 January 2018049