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Consultant278
写真9代表的なビール写真8大河ブラマプトラシャを外すことはできない。インドのいたるところに象の頭をした神様の像が祭られており、これが知恵と学問の神ガネーシャである。ヒンズー教の多くの神様のなかでも、ガネーシャはインドでもっとも人気の高い神様のひとつである。象の頭と4本の腕があり、よく見ると足元からガネーシャを見つめる一匹のねずみがついている。そしてガネーシャの2本ある牙のひとつは必ず折れている。ガネーシャは日本の密教に取り入れられて、歓喜天となって仏教の守護神になっている。神話によると、ガネーシャはヒンズー教の最高神シバと妻パールバティの息子であった。お互い初対面のときに争いとなり、自分の子供と知らなかったシバ神はガネーシャの首を切り落とした。母親が悲しみに泣き叫ぶので、困ったシバ神は最初に出会ったものの首をガネーシャに取り付けることにした。そして運悪く最初に出会ったのが象であったことから、ガネーシャは象の頭を持つことになった。ねずみはガネーシャが移動するときの乗り物である。あるとき、ねずみから誤って転落して片方の牙を折ってしまったそうである。ただし、片方の牙が折れた理由には、別の言い伝えもある。インドの神様は多様であるが、ガネーシャは最も親しみのある神様である。北東州7州インドの国土は概ねダイヤモンド形をしており、象の耳の形にも似ている。しかし地図をよく見ると、ダイヤモンド形の国土の北東方向から鶏の頭のように東に突き出た土地が広がっている。インドからバングラデシュが抜け出たため、ダージリングなど西ベンガル州北部とともに幅20kmくらいの狭い回廊によって、インド本土とつながることになった。周囲を中国、ミャンマー、バングラデシュ、ブータンと接している。このエリアは北東州7州と呼ばれ、その中心はお茶で有名なアッサム州で、降雨量が非常に多い。険しい山地で、地理的に中国と国境が近い事情もあって、インド本土とは発展の格差がある。州によっては日本人と変わらない風貌の人が多く、日本人が違和感をもつことはない。商店などの看板の文字も、いわゆるインド文字でなくアルファベット(ラテン文字)である地域も多い。まぎれもなくインドでありながら、他の地域と大きく異なる文化習慣が行われている地域である。ブラマプトラ川はヒマラヤの北側に源流をもち、ヒマラヤの南側で東から西にアッサム州を縦断する。バングラデシュに入ってガンガー川(ガンジス川)と合流し、最後はベンガル湾に流れ込む大河川である。私はアッサム州の西部でこの川を見たが、雨季終盤の9月の川幅は15km以上に広がり、海かと錯覚するほど一面の水であった。インドは長い歴史をもち、不思議な魅力にあふれた国である。面積と人口だけでなく、経済規模においても、近い将来にアジアで1位2位を争うようになることは確実であろう。古くから日本文化に影響をもたらしてきたインドが、多様性と文化を維持しながら発展し、地域に安定をもたらすことを期待する。Civil Engineering Consultant VOL.278 January 2018055