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??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????7「社会資本整備審議会道路分科会建議案説明資料」よりhttp://www.mlit.go.jp/common/001202617.pdf第1章「社会経済についての現状認識」、第2章「目指す社会と道路政策」、第3章「新たな道路政策の方向性」、第4章「道路施策の具体的提案」、最後に第5章「施策の進め方の提案」となっている。建議(案)は公表されているので是非お読みいただきたいが、今回の建議の最大の特徴である(と筆者が考える)「新たな道路政策の方向性」について少し述べたい。まず、第3章の冒頭にはストック効果の重視、生産性革命の重要性も踏まえて「道路ネットワークの安定的な活用や、道路の機能の最大限の発揮といった「利用」の観点も重視した枠組みを実現することが重要である」と記述し、法制面の改革も視野に入れるべきだという主張を行っている。方向性としては3つの提言を行っている。最初は「道路・交通とイノベーション~道から社会を変革する」であり、これまで縷々述べてきた問題意識と志を込めたものとなっている。次は、「人と車のベストミックス~高度な道路交通を実現する」であり、最後は「道路の更なるオープン化~多様な連携・協働を追求する」である。2番目の「人と車のベストミックス」は幹線道路の質的改良と生活道路の安全性・快適性の獲得を主張するものである。国道を中心とする幹線道路ネットワークは大型車同士があまりストレスなく対向できるようにする、いわゆる一次改良が早くから、また公平性の観点も踏まえて整備されてきているが、高速道路整備に重点が移ったこともあって、40年の長きにわたってほとんど質的向上が図られていない点が大きな課題である。現在の姿は、橋梁部やトンネル部では幅員が狭く、歩くことも自転車で移動することも危険に感じられ、自動車専用道化しているといっても過言ではない。地方創生、一億総活躍、観光地域づくりの観点からこれらの幹線道路の質的な整備・改良が必要であろう。また、幅員の狭い生活道路は、空間が十分ではない、整備が難しいという理由から、歩行者や自転車、乳母車のための施策が少しおざなりにされてきた傾向があるとの反省に立ち、これらの日本特有の狭い道路空間をネットワーク性も考慮しつつ、人間重視の空間に作り変えていくという決意を示したものであると考えている。これまで、安全性・快適性の実現の基本的方向は分離、歩道やガードレールによる歩行者と自動車の分離、自転車レーンによる自転車と歩行者・自動車の分離だったが、わが国の道路の大部分はこのような幅員の狭い、貧弱な道路でありこれらの分離を基本とする施策だけでは難しいという認識を示している。具体的には、分離に加えて、空間条件が厳しい道路では積極的に混合を考えるものである。狭い空間を無理やり分離せず、お互いが少しずつ気を使って、できれば自動車が歩行者、乳母車、自転車そして近未来においては低速型モビリティにも遠慮して、すべてが共存できる空間と雰囲気づくりを追求すべきという提言である。空間の雰囲気づくりは道路拡幅004Civil Engineering Consultant VOL.278 January 2018