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国際委員会だより第31回Message from International committeeセミナー『国際事業展開を目指して』より?国際コンサルタント市場をターゲットとする業務の紹介?国際委員会下倉宏│SHIMOKURA Hiroshi日本工営株式会社小泉慎│KOIZUMI Makoto国際委員会だより第27回より紹介させて頂いている2016年度国際委員会主催セミナー「建設コンサルタンツの国際事業展開を目指して」の5回目として、日本工営株式会社の小泉慎様より講演頂いた「国際コンサルタント市場をターゲットとする業務の紹介」の内容を掲載します。1.国際コンサルタントの市場規模国際コンサルティング業務を発注者・資金源別に分類すると表1のように整理される。国際コンサルティング業務に参入実績がある本邦コンサルタント(約70社)は、例年約1,000億円程度の海外受注を獲得しているが、このうち85%がODA関連で表1コンサルティング業務分類1 国際協力機構(JICA)が実施する技術・資金協力を中心とする本邦ODA2 世界銀行・アジア開発銀行等の国際機関(MDBs)が実施する技術・資金協力3 当該国政府の自己資金やPPPなど民間資本(Non ODA)(億ドル)Top225社国際売上高推移80070060050040030020010002011年2012年2013年2014年2015年図1世界上位225社の国際市場売上あり、Non ODAは15%程度である。一方で、米国のMcGraw Hill社が出版する「Engineering News Record(ENR)」によれば、世界上位225社の国際市場(本籍国以外での業務)における売上高は年間約700億ドル(約8兆円:1US$ =110円換算)とされている。その発注者・資金源別内訳は公表されていないが、本邦コンサルタント各社の獲得額に比べ遥かに大きなNon ODA市場が存在していることは歴然であり、この広大な市場に挑戦する意義は大きい。2.事例紹介日本工営株式会社が実際に受託した2件のNonODA業務の取り組みについて紹介頂いた。1件目は、モンゴル国政府の自己資金で実施された貨物鉄道新設に係る基本設計業務(Front EndEngineering Design:FEED)である。世界最大級のタバン・トルゴイ炭田で産出される石炭を輸出するため、ロシア・中国の既設鉄道網に連結させる総延長1,500 kmに及ぶ鉄道の敷設事業である。業務内容は、自然条件調査、基本設計、工事・機材供給業者を選定するための国際入札図書を作成するものである。モンゴル国営鉄道は国際競争入札でコンサルタントを選定するため、豪・仏・独・加など全7社を入札に招聘した。選定では価格要素を全く考慮せず、過去の類似業務実績や技術的な手法、担当技術者の経歴のみを評価した。このため、単価が高いと評価される日本人技術者でも不利にならない入札となった。業務受託にあたって、発注者の支払能力・与信や契約条件、税金等についてODA案件よりも厳しく社内審査を行っている。国内業務の発注者とは商慣習や社会的背景が異なるため、報酬・契約条件を細部にわたり062Civil Engineering Consultant VOL.278 January 2018