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特集4まちのいろ色山本早里YAMAMOTO Sari筑波大学/芸術系准教授まちには赤、白、黒、緑など様々な色が存在する。色たちはどのような理由で選ばれたのか、私たちが意識したことはあるのだろうか。環境に合わせた色彩をまちに取り入れることは、どのような効果があるのだろうか。その重要性や問題点を知り、まちづくりに活かす色の使い方を学ぶ。色彩の重要性周囲との関係で問題が起きたりした事例を「騒色」と呼私は主にデザイン・建築の分野で色彩の研究や計画ぶ。この騒色の問題は、ピンクマンション、オレンジ保育を行っているため、景観行政のお手伝いに携わること園、個人の自邸などいくつか事例があるが、紙面の都合が多い。その過程で、土木の色彩に関して思うことがたで別の機会に譲りたい。びたびあった。今回、本誌で「いろ」をテーマに特集が組まれるということは、土木や建設コンサルタントの分色彩が街並みに与える影響野でも「色彩」の重要性が認識されたことと受けとるこまず街並みにおける色彩の重要性と日本の現状を考とができ、感慨深く思っている。えてみたい。写真1はアメリカ、ボストンの街並みである。建築の教育カリキュラムの中で色彩に触れるのはわレンガ色で整っていて、落ち着いた雰囲気がある。写真ずかである。土木においてはほとんどないと聞く。景観2はデンマーク、コペンハーゲンのノイヘブンである。様々を構成しているものは自然(日本の場合は緑、樹木が多な色相の色が使われていて浮き立つような楽しい雰囲い)と建築物、土木工作物などである。特に景観上、橋や鉄塔など土木工作物の影響力は大きいことが多い。残念ながら色彩的にいかがなものかという物件をたびたび目にする。色彩に思い入れがあるものの景観に配慮がなく、周りとの調和が図られていないもの、または経済性を重視して色彩のことは考えていない、または軽んじられたものなどである。目に入る視環境はテクスチャと色彩によって構成されている。色彩を整えることにより環境が美しくなるのは必然であり、まずその重要性を意識するように導く教育が必要なのではないだろうか。本稿がなんらかその端緒になれば幸いである。なお、色彩があまりよくなかったり、写真1ボストンの街並み。同系色の色彩。2 0 0 6年撮影020Civil Engineering Consultant VOL.279 April 2018