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写真2ノイヘブンの街並み。カラフルな色彩。2 0 0 4年撮影気であるが、全体にトーンがそろっていて調和感がある。このように、街並みを見た時に色彩による雰囲気への影響力は大きい。日本はどうかというと、江戸の街並みの資料となる1800年頃の日本橋通りを克明に描きだいしょうらんいた『熈代勝覧』1)を見ると、家屋がほぼ同一の屋根瓦と白壁でそろっており、統一感が高い。のれんなどで色がついているものの、これも紺で染め抜かれているものが多く、色彩がそろっている。ほかに、現在でも昔の街並みが残されている岡山県の吹屋(写真3)をみると、建材は地産地消であり、おのずと地域独自の材料で揃うために色も同様に類似色でまとめられている。この頃には意識せずとも色彩の調和が図られていたのである。しかしながら明治以降、都市において西洋建築が導入されてくると建築様式が入り混じりだんだんと乱れてくる。また流通が活発になり、建材が国内ひいては海外写真3 吹屋の街並み。地域産出の鉱石で着色されたため色彩がそろう。2009年撮影からも自由に入手できるようになると、色彩を意識しなければ調和が図れなくなっていった。日本では景観に関する意識が高い人が一部にはいたものの、建物外部の色が公の色であるという認識はなかなか醸成されてCivil Engineering Consultant VOL.279 April 2018021