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特集いろ5カラーユニバーサルデザイン武者廣平MUSHA Kohei株式会社武者デザインプロジェクト/代表取締役NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構/理事長色による情報が非常に多い現代、同じ色でも人によって感じる色の認識は異なり、多様性に富んでいる。男性の20人、女性の500人に1人が色弱者と言われる中、どのような場面でどのような工夫がなされているのだろうか。時代の要請等も踏まえたカラーユニバーサルデザインのあり方を知る。視覚情報適正化2018年の冬は大雪に見舞われる地域が大変多く、降雪に関する天気予報のTV画面中に、何故か「紫色」が多用されているのに気づいた方も少なからずいらっしゃると思います。これは2012年5月に気象庁が示した『気象庁ホームページにおける気象情報の配色に関する設定指針』に基づいた表示です。具体的には、大雨など数値が高くなるほど危険度が増す情報を示す際、注意報・警報に相当する色使いとして、レベルが上がるにつれて黄色・橙色・赤色・赤紫色の順で用いると規定されました。また、警報レベルを超えた重大な状況で発令される「特別警報」には赤紫色を用いることや、色弱者が判別しにくいとされる赤と緑は同じ図中で使用しない等、この改訂によって情報の受け手側に対する多様な色覚への配慮が実現しました(図1)。なお、この作業に関してはNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)も協力をさせて頂きました。CUDOは2004年10月に先天性の色覚特性者のみならず、加齢による老人性白内障や疾病による後天性色覚特性者を含め、色覚の多様性に基づき、できるだけ多くの人々への視覚情報適正化に貢献することを目的に設立されました。現在、CUDOの活動領域は大きく広がっており、例えば義務教育向けの各種教科書にもカラーユニバーサルデザイン対応の証として「CUDOマーク(図2)」の記載されたものが年々増えています。多様性に富む人間の色覚1990年代の後半からパソコンの普及や印刷システムの進歩などによって、印刷物、機器類、施設などのカラー化と低コスト化が進み、多くの視覚表現に色がたやすく使われるようになりました。色を使用することでより多くの情報をまとめ、早く確実に伝達することが可能になります。色はイメージ、強調、指示、状態なども直感的に図1気象情報「特別警報」について(気象庁ホームページより)図2カラーユニバーサルデザイン認証マークとカラーユニバーサルデザイン機構ロゴタイプ024Civil Engineering Consultant VOL.279 April 2018