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を変えない、全体の彩度を上げないなどの、家のテーマカラーを決めることです。明度が低くても、広く見せる方法はたくさんあります。「居心地のよい」明度は、肌明度と同じ7~7.5。クロスに手を当ててみてください。肌と同じ程度の明度は、馴染みが良く、落ち着いた優しい空間に仕上がります(明度ドミナンじゅらくト)。昔からある和室の聚楽壁はこの明度。和室で和む理由はここにあります。人と空間の関係配色で様々なイメージを作ることは可能ですが、心地よい空間作りを目指すなら、ぜひパーソナルカラーを取り入れたインテリアでまとめてみて下さい。もしかすると、今お住まいのインテリアは、ご自身のカラーを知らなくても、パーソナルカラーとイメージがリンクしているかもしれません。長年の経験から、圧倒的にそのマッチングが多いので不思議でならないのです。私はいつも顧客のパーソナルカラーを利用して色彩計画をしています。当社の開発したパーソナルカラー配色システム「color+shapeR」を使ったインテリアコーディネートで、心地よい空間作りが実現できます。何より、顧客のイメージと室内空間の色調が整うため、効率の良いモノ選びが可能になります。木部の色や明るさはパーソナルカラーの色相と明度を参考にするとよいです。高明度の方はバーチ、メープル、明るいオーク、明るいグレーの木部に、ナチュラルでシックなイメージでトーンを馴染ませる。中明度の方はオーク、チェリー、チークなどのミディアムトーンの木部に、カジュアルでナチュラルなイメージに中彩度の色相でリズムを付けて。低明度の方はダークオーク、ウォールナットやダークな木部に、モダンでコントラストのあるイメージに明度差や彩度差をポイントにするとよいです。イメージが決まるとクロス、カーテン、家具、照明、アート等は配色理論でまとめやすくなるのです。長年の経験から、インテリアコーディネートとパーソナルカラーは確実にリンクすると考えています。写真4 低明度・高彩度で青系や赤紫系の色相が似合うパーソナルカラーの人は、モダンなインテリアでコントラスト空間に落ち着く傾向がある写真5 高明度・低彩度で黄系や緑系の色相が似合うパーソナルカラーの人は、シックでナチュラルなインテリアでトーンがまとまった空間に落ち着く傾向がある色のルールカラーコーディネートは色彩調和の基本理論を知って、感覚でアウトプットする世界です。一見したところセンスに思われがちですが、「7割がルール、3割がセンス」だと考えています。ルールとは色彩学です。科学や文化、心理、配色や造形などの様々な知識が必要ですが、体系的に覚えていくものなので、短期間で身に付きます。センスは感性です。暮らしの中にある身近な色の体験や、自然界の色を通して磨いていく感覚とバランスです。こちらは少し身に付けるのに時間がかかります。美しい配色には必ず理由があります。まずはルールを習得して、身の回りのカラーコーディネートに挑戦してみてください。そして、センスを磨くために、絵の具で色を作ってみることをおすすめします。3原色(マゼンダ・シアン・イエロー)+白黒の5色の混色で、世の中の色は全て作ることができます。体感を通じて理解を深め、アナログでしか出せない美しい色の発見があると、今までに感じたことのない感動を覚えるはずです。微妙な色の違いを見分けられると、様々なシーンで色を自在に操ることができ、カラーパフォーマンスがあがるはずです。四季を繊細に感じて生活している日本人の色彩感覚は、歴史から見ても世界的に優れています。大きな自信を持って、様々な分野で色を活かせる社会になることを期待したいと思います。Civil Engineering Consultant VOL.279 April 2018031