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佐賀県図1地図で見るブータンの概要図2 地理空間情報とGISソフトウェアを使った農地開発適地選定のイメージ報管理等によってより高度な情報の提供が可能になり、様々な分野に応用することができます。■使い易い地図がブータンに■あったらブータンの主要産業は農業であり、主に米、とうもろこし、ジャガイモ、みかん、リンゴを栽培しています。しかし、就労人口の多くが農業従事者であるにもかかわらず、国の産業全体に占める農業の収益率や耕地面積の比率はとても低く、加えて平地も少ないことから、効率的な農地開発が期待されています。もう一つの主要産業は主にインドへの売電を含む水力発電事業であり、関連するインフラ施設の開発のために、ニーズや優先度に配慮した計画が求められています。もし地図をはじめとする地理的な情報が適切に管理されていれば、関連する情報をレイヤー状に重ね合わせて集計や解析等の情報処理を行うことで、効率的・包括的・客観的にこれら開発のための計画策定をサポートすることができます。図2は、森林を農地に開発する場合の地理的な情報を使った適地選定の例で、既存道路、水部、土地利用、土地の傾斜、地形、土壌等の情報をGISソフトにより重ね合わせて解析することで、農地としての条件や開発コスト効率が良好な地域を抽出することができます(図2の赤い箇所)。■ブータンの地図事情と■本プロジェクトブータンでは、1960年代にインドの援助で全土をカバーする縮尺1/50,000の地図が整備されました。その後1990年代に一部を更新しました。しかし、内容が新しくないことや紙媒体であったこともあり、近年は各種開発計画のために地図が積極的に利用されることはありませんでした。開発計画のニーズや地図があれば、より良い計画策定ができるという認識があるにもかかわらず、必要な条件を満たす地図がない。こうした現状に対して、以下を目的として2015年2月~2017年11月に国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクト「ブータン国国家地理空間情報作成」が実施されました。・ブータンの南部地域(9,870km 2)の1/25,000デジタル地形図の整備・1/25,000デジタル地形図の更新手法の技術移転・1/25,000デジタル地形図を基にしたデータ共有と利活用モデルケースの提案図3 旧1/50,000地形図と本プロジェクトで作成した1/25,000地形図Civil Engineering Consultant VOL.279 April 2018035