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美術大学三年生のときに東日本大震災が起きて、喪失感から急に絵を描くのがつまらなくなりました。そして、夏休みに祖母の家にねぶた祭を見に行きました。震災の影響で青森の街も「あまり活気がないなぁ」と思っていたら、夜になると「こんなときだから元気出せ!」と、例年以上の熱気で地元の人たちが盛り上がっているのを見て、大きな衝撃を受けました。このとき、お祭りには人を元気にする力があると気付き、お祭りに興味を持つようになりました。そして、いままで勉強してきたアートの力や発想力を活かして、お祭りを元気にできないかと。例えばチラシや看板をおしゃれにデザインするとか、見た目の部分から何かできるのではと考え、今の会社オマツリジャパンの元となる活動を思い付きました。お祭りに興味をもつ前から、大学の文化人類学の講義を通して、日本の伝統文化の奇妙なところに興味がありました。例えばおせち料理は一品一品に意味があり、全部駄洒落でできている。お祝いの日にお餅を食べるのは、昔は米一粒でも貴重であったため、貴重な米がたくさん集まってできているお餅は『超すごい神』のような存在であったから。そういう日本文化の奇妙な部分に興味があり、今はお祭りの中でも奇祭が好きです。お祭りではその奇妙さを人と共有できることが面白いのです。多くの人にとって、お祭りは一体感が魅力なのではと思っています。お神輿を一緒に担ぐことで一体感が生まれ、つらいことも頑張れるのではないでしょうか。オマツリジャパンとして活動し始めた頃、お祭りの情報サイトが少ないことに気付きました。そこで、最初に考えたのはウェブでした。日本には30 万件もお祭りがあると言われているので、一人では何回人生があっても回りきれない。でもお祭りのポータルサイトがあれば、地元でお祭りを愛している人に教えてもらうことができる。東京都だけでも365日お祭りがあるくらいで、今日行こうと思ったらどこかでやっているはずです。「今日はこれやっている」「今週はこれをやっている」という情報があれば、外国人観光客も見に行くかもしれません。少子高齢化などで、お祭りは元気がなくなっているとか、マンネリ化しているという指摘もありますが、それをはるかに超える追い風としてインバウンドがあります。最近、祭り特集世界一のお祭り大国、日本004 Civil Engineering Consultant VOL.284 July 2019